デカすぎるロボと巨大なライバル
第32話 宇宙海賊バイパー
会議後半の議題は、俺たちが戦う相手…
「地球を狙う侵略者、宇宙海賊バイパーについて」
レディーが空間モニターに概要を表示し、説明。
亜空間ゲートを利用して大部隊を地球に向けて集結させつつある状況で、地球はもはや風前の灯。地球の戦力が低いと誤解させていることを利用して先制奇襲攻撃で撃破するしかない事がわかる。奴らは強すぎる!
〇〇〇
ヤマサンたちが会議している同時刻、宇宙海賊たちの主力部隊本陣では、海賊たちも会議を開いていた。
巨大な宇宙怪獣の内部に建造された海賊たちの指令室で、海賊幹部たちが言い争っていた。
「後続部隊なんぞ待ってられん!さっさと攻めようぜ!」
地球人男性の姿をした幹部が叫ぶ。
「急ぐ必要無いし。命令だし。」
地球人女性の姿をした別の幹部が答える。
彼ら宇宙海賊が、なぜ地球人の姿をしているのか?
その答えは、彼らの習性にある。
彼ら宇宙海賊バイパーは「寄生生物」なのだ。
彼ら海賊は全てを奪う。相手の肉体すら奪うのだ。
だが、全ては奪わない。
普通に侵略すれば宇宙刑事ギルドに犯罪として介入され処断されてしまう。
だから、現地の生物に寄生するのだ。
そして…寄生しても、奪うのは意識の一部だけ。そこに闘争心を埋め込む。
それだけなのだ。
「原生生物同士の争いには介入しない」という宇宙刑事ギルドの規約の裏をかき、侵略対象の星の先住民に騒乱をまきおこし、気づいた時には全てを奪われている。
〇〇〇
俺はため息をつく。
俺「寄生による地球への浸透作戦は宇宙刑事ギルドに察知され未然に防がれたそうだけど…あのモグラ星人たちはその調査に地球に来ていたギルド関係者って事か。」
レ「そうですヨ!」
俺「でも、「すでに寄生済み」の「地球人バイパー」が宇宙に逃れて、戦力を集結させている、と。」
地球人同士の戦争だと宇宙刑事ギルドは介入できないから、地球人を宇宙刑事ギルドにスカウトしていたわけだ。結局のところ代理戦争か。気に入らねえな。だが、与えられた状況を最大限に利用して、戦ってやるよ。踊らされているのだとしても、な。
後日、宇宙刑事ギルド本部には苦情を申し述べたいね。
そして、裏で糸を引く宇宙海賊バイパーの首領を殴りたい。
ま、巨大ロボのオモチャよろしく、せいぜい踊ってやりますよ。
この「ロボットバトルごっこ」が終わるまではな。
ハー、でも、寄生されてるとはいえ、同じ地球人と戦うのはやだなぁ。
俺「できれば殺さずに逮捕したいんだが。」
ユ「でもさ、寄生されちゃったヒトって、捕まえたとしても、結局どうなっちゃうの?」
聞きづらい事、ストレートに言うじゃない。やるな。
レディー「メイちゃん解説お願いしますヨ!」
メイ「ご説明します。」
頼むぜ。
メイ「地球で捕縛されたバイパー寄生体は、隔離空間「フラットアース」に強制排除されます。」
なんだそりゃ。
説明によると、バイパーに寄生さたら治療は不可能とのこと。
ただ、バイパー首領からの支配波動から隔離されれば精神支配や狂暴化から逃れられるのだそうだ。
亜空間の隔離空間で暮らす地球人は何万人もいるってさ!
そんなにか!
敵のバイパーは、逮捕してその隔離空間とやらに放り込めばOKってコトだな。
気は楽になったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます