第21話 巨大ロボは忍びの里を目指し翔ぶ
「食べながら聞いてほしいんだが」
黒子忍者たちの一発芸を鑑賞しながら
これからの方針を話し合わなければいけない。
「真面目な話」
俺は息をつく。
「いいニュースと悪いニュースがある。」
もったいをつけて、俺は話を続ける。
「いいニュース。お前らと出会えたこと」
キザっぽくおちゃらけてみる。
「コラボレーションというか、シナジー効果というか、協力するとマジでヤバい。」
「俺一人だったら死んでた。比喩じゃなくて、マジで。」
「俺、無職だけど、ここで生きていける。」
「ありがとう。」
うまいメシを食いながら、続ける。
「悪いニュース。バレたら死ぬ」
「世界征服くらい余裕な戦力。オーバーテクノロジー。所持しているのは、ごく普通の一般人。バレたら死ぬね。もしくは生き地獄」
「家族親類縁者もヤバい。俺は家族がいなくて、さらに法的世間的に死んだ事になってるからいいが、お前らがヤバい。マジで。」
絶対バレちゃダメだ。
「ここで、選択肢。」
俺は指を2本立てる。
「ひとつ。埋める。」
「埋めて、無かった事にする。穴は俺がロボで掘ってやる。」
「もうひとつの選択肢。使う。」
「この、ヤバい宇宙人からの贈り物を、使って管理する。」
俺は言葉を止めて、ふたりの返答を待つ。
顔を見合わせた二人が、返答する。
「使う」「使うよ」
俺はニヤリと笑い、サシミを口に放り込む。
「そう言うと思ったよ」
「実験結果で気になった点を言う」
俺は銀河刑事手帳を取り出して、メモに目を落とす。
「黒子忍者と影執事が有能過ぎる。」
自律行動し、忠実で、数が多い。ほぼノーコスト。
巨大ロボや浮遊城に配備すれば完璧に運用してくれる。
いきなり最適解を得た感がある。
「ヒューマノイド・レディーがポンコツ過ぎる」
あいつロボなのにフリーダム過ぎる。
呼んでないのに勝手に巨大ロボが自宅に飛来してガレージ周辺踏みつぶしたのも、レディーのしわざ。さっき本人が影執事相手にペラペラ話していたから確定。なんなのあいつ。
腕っぷしは強いので、カチコミ専用の鉄砲玉として運用すべきだ。
まあ、こっちの指示は一切聞いてくれないんだけどね。
「シナジーが切れたらヤバい」
3人の能力が補い合って運用しているが、ひとり欠けたら?
オシマイである。
「『殺してでも奪い取る』は可能なのか?」
巨大ロボは銀河刑事ギルドの所有物なので、地球支部長である俺以外は使えない。俺が殺されても、ロボを奪う事はできない。プリンセスキャッスルはプリンセスの私物なので使えるのはプリンセスだけ。以下同じ。「抜け忍の里」も以下同文。つまり、逆に言うと、誰かが死ねば資産を誰も相続できず、シナジー切れ確定となる。
「こんなとこかな。意見ある?」
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