第12話 悲報!俺、死亡!

【悲報①俺、死亡!】

俺は死んだコトになってるらしい。ハハッなにそれ。まじうけるんですけどー。

は?は?


「記憶を封印ふういんして地球に潜伏せんぷくしていた銀河刑事ギルドエージェント、ヤマサン!彼は星の危機を察知さっちして目覚めたのだ!」


ヒューマノイド・レディーがノリノリでナレーションしている。

そういう設定になってるらしい。

「クソダサ間抜け従業員に偽装していたが、その名前や戸籍は抹消された!」

って、クソダサで悪かったなオイ!


…誰だよそんなクソシナリオ用意した脚本家は!…ってオマエか!

笑顔で手を振るヒューマノイド・レディーが犯人らしい。

クソがぁぁ!

って、おいおいそれじゃ俺のスマホ着信履歴がすごいコトになってるだろそれは…って圏外じゃん何コレ?あぁ?ロボが潜水せんすいしたまま外洋に出てるのか…いやたしかに「航路から外れて潜水しとけ危ないから」とか言ったけどさ。まあ外洋で水中だから余裕で圏外だろうけどさ。


ホントは死んでないって電話しなきゃ。

レディー、ちょっと電話させて!お願いだから!なあ頼むよ!

いやいや鎮静剤はいらないから。俺は落ち着いている!


えっ何コレ、黒電話?昭和レトロなアナログデバイスが出てきたけど、そういや番組内でヤマサンがこれで電話かけてたな。20年前の時点ですでに太古たいこ遺物いぶつ扱いだったアナログ電話だ。えっこれ使えるの?逆にすげえ。

俺はレディーに操作法を教えてもらいながら、骨董品こっとうひんの機械式電話機を指もつれさせながら必死で操作し、電話をかけ・・・る相手がいなかった。


【悲報②俺、電話かける相手いない】



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