第11話 正気度チェックとモンクの叫び

知りたくもないクソな事実を次々と突き付けられ、頭がおかしくなりそうになった俺はクソデカロボ(これでも最小)内のメディカルルームで正気度しょうきどチェックを受けた。強力な鎮静剤ちんせいざいと二日酔い薬を処方され、仮眠室かみんしつで休息。その後クソロボ内のトレーニングジムで運動療法。中国拳法っぽい奇声をあげながらサンドバッグを殴りまくり、ストレス解消したのち飲酒して正気度を回復させた。なお、診察・治療をしたのはヒューマノイド・レディーである。


【追加ショッキング情報その①】

銀河刑事手帳を確認したところ、クソな情報が書かれていた。あのクソオケラ宇宙人はエリダヌス座イプシロン星系から地球へ調査に来たらしく、まあそれはどうでもいいのだが、そいつらの役職が「銀河刑事ギルド・エリダヌス座イプシロン星系支部長」だった。つまり、「銀河刑事ギルド」は実在する。そして、俺は「地球支部長」に、リアルで任命されているらしい。コードネームは「ヤマサン」で。ハハッ!…レディー、鎮静剤追加お願い。


【追加ショッキング情報その②】

エベレスト級の質量兵器「テラデカーZ」ロボを格納かくのうする母艦ぼかんがあるらしい。

デス・スターかな?レディー、お酒ちょうだい。強いやつね。


朗報ろうほう

そのクソデカ「サテライト級宇宙空母」ペタデカーΩオメガが最大のブツで、それよりデカいアレはもう無い模様。本当に?


【追加ショッキング情報その③】

俺が鎮静剤で眠っている間に、今回の災害での唯一の行方不明者…つまり俺が、名誉の殉職じゅんしょくげたコトになってるらしい。

おい!ふざけんな!…確かに泣きわめきながら「頼む殺してくれ!」とか言ったけどさ。なんだよそれ!俺死んじゃったよ!


***

脚注 ”ヤマサンメカ一覧”

デカデカー:微妙にデカくて車線をはみ出す銀河刑事ギルド専用パトカー

メガデカーAエース:マンション級ロボ。全高最大100m程度

ギガデカーXエックス:スカイツリー級ロボ。全高最大1000m程度

テラデカーZゼット:エベレスト級ロボ。全高最大10000m程度 

ペタデカーΩおめが:サテライト級宇宙空母。全長10km程度…デス・スターかな?


***

脚注 「エリダヌス座イプシロン星系」

エリダヌス座イプシロン星は地球から約10光年の距離にある、比較的「近い」恒星。近いと言っても10光年。準光速で全力往復しても最低20年かかる計算になる。


***

脚注 「銀河刑事ギルド手帳」

銀河刑事ギルド員の身分を証明するアイテム。通称ギルドカード。ステータス値や討伐履歴などの情報が記載されている。提示すれば、任務中であれば様々な公共サービスを無料で受ける事ができる。普通の手帳としても使える。「銀河刑事ギルド・エリダヌス座イプシロン星系支部長が発行しました」などと発行者名も記載されている。便利情報も付録されており、巻末の「銀河鉄道路線網図」などは非常に便利。

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