第7話 ポジティブ・モンスター、略してポジモン

銀河刑事ギルドの地球支部ギルドマスター、「地球刑事ヤマサン」には、頼れる相棒がいる。メガデカーエースを始めとする各種メカの修理点検や、銀河刑事としての捜査情報管理、張り込み中の夜食の配達やショットバーでのカクテルの調合などを手掛ける万能女性型ロポット「ヒューマノイド・レディー」である。

「鋼鉄美女」と称された彼女は、ヒューマノイドと言うだけあって、見た目は完璧な人間そのものに見えるが、体重がクッソ重くて、番組中では良くネタにされていた。その体重を活かしたドロップキックは、作中最強必殺技とも言われていた。

…いたんだ、コイツ。

地球刑事ヤマサンの「登場人物」がロボ内にいる事に、驚いてしまった。

宇宙人がくれたロボに、コイツも含まれていたってコトか。まあコイツもロボだしな。


「…やあ、レディー!」

「ヤッホー!!」


…俺はヤマサンとして認識されているらしい。

ヤマサンは結構ネガティブな性格で、ちょくちょく落ち込んでふさぎ込むのだが、相棒のレディーがポジティブモンスターで、強引に元気づけて立ち直らせるのが番組のお約束ってヤツになっていた。


「助けてくれレディー自宅が半壊して職場が壊滅した俺失職ホームレス損害賠償…」

「ヤマサン、ダイジョーブ!ソッコーでステルスモードをONにしたヨ!負傷者はいないし、『地下水位低下による陥没』ってコトになってるヨ!」


…いいのかソレで…

彼女のデータ収集機能で調査した結果、

①損壊した近隣住宅は加入していた保険でカバーできる

②壊滅した職場の親会社は以前から不法な地下水汲み上げをしていた

③メガデカーA内に住居があるので自宅要らないヨ

④絶対バレないからダイジョーブだヨ

とのことだ。

…いいのかソレで…

まあ、泣きながら自決寸前だった俺のメンタルはなんとか回復した。

ありがとうレディー、…ってお前、そんな顔だったっけ?

スマホで検索すると、確かにこんな顔だった。

放送当時は俺も幼児だったからな。なんか印象違う。もっとオバチャンに見えていたが、実際の見た目は20代前半くらいに見える陽キャ女子で、無駄に前向きなポジティブモンスターだった。




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