第6話 相棒はヒューマノイド・レディー

「崩壊した自宅から巨大ロボで出勤した俺は、職場を壊滅させ無職ホームレスとなった。」

何を言っているのか自分でもわからねえが、ありのまま今起きた現実だ。

現実は非情である。


放心状態から回復した俺は、ロボの操縦席から降り、無意味なガルウイングをバキュンと開いてコクピットモジュールから出た。操縦はもういいや。動けば被害が拡大する。ロボ本体の居住スペースにつながる通路をフラフラと歩く。あー、内部はこんな構造になってたよな、思い出してきた。搭乗システムである道交法違反パトカー「デカデカー」がそのままコクピットモジュールになるのだが、ロボ本体にも移動でき、本体側にはパイロットが休息できるラウンジ的な居住空間があるのだ。ショットバー的な軽く酒を飲めるコーナーもあり、特撮ヒーロー番組なのに主人公が職務中に飲酒するのである。酒!飲まずにはいられないッ!


「酒くれ!」

ヤマサンと同じセリフで酒を要求する俺。

「はいヨ!」

すかさず酒を出してよこす女性型ロボット。

ああ、こんなキャラいたよな。

地球刑事ヤマサンの相棒、ヒューマノイド・レディーである。

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