第5話 ねらわれた勤務先(主人公が職場を破壊し無職となった件)

「ターゲット・職場」

デカすぎるロボのコクピットで、俺は死んだ目で目的地を告げる。

操縦桿そうじゅうかんとか計器類けいきるいとかあるけど、そもそも操縦そうじゅう方法がまったくわからんので、とりあえず口頭こうとうで目的地を音声入力。

ピチューンとカーナビ的なマップが表示され、目的地が指定される。

ロボはゆっくりと歩き出し、道路はメチャクチャに破壊されていく。

踏みつぶされる車、激しい爆発音、炎の匂い。

「ああ…いや、…ロボ、飛べ!」

ロボは歩行をやめ、飛行モジュールを作動させ浮遊ホバー移動を開始する。

被害は大幅に軽減された。ヨシ!

数十秒で職場駐車場に到着。ロボに着陸を指示。

…建造物にぶつからないように、慎重に着陸するように指示。


…結果から言うと、ぶつけずに着陸できたのだが、着陸時の揺れで職場建物は半壊した。

その日、俺は「自宅」と「自家用車」と「職」を失った。

無職。ホームレスである。


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