第4話 銀河刑事専用パトカー!カモン!デカデCAR!(道交法違反)

地球刑事ヤマサンが搭乗とうじょうするヤマサンメカの中でも最小なのが銀河刑事専用パトカー「デカデカーCAR」である。

車線をはみ出すほどのBIGビッグサイズのパトカーで、やたらと突き出したエアロパーツと、無意味に跳ね上がるガルウイング。公道を走れば当然、道交法違反である。こんなの走ってたら迷惑極まりない。

左手に装着された万能通信ガジェット「ヤマサンブレス」で呼び出せば、次元を跳躍ちょうやくして亜空間からヤマサンの前に現れる。


俺が「カモン!デカデカー!」とコールして3秒後、あの無駄にデカい道交法違反のパトカーが、路駐していた車をバンパーで跳ね飛ばしながら現れた。

「ホントに来たよデカデカー…」

無意味なガルウイングがバキュンと開き、俺は乗り込む。

「デカデカー・オン!」

やぶれかぶれ気味に、俺は叫ぶ。


この道交法違反パトカーは無駄にデカいロボ・メガデカーエースの搭乗システムとなっており、「デカデカー・オン」のコールで合体しロボのコクピットモジュールになるのだ。

外部スピーカーから恥ずかしい合体テーマソングが流れ、光源不明の謎光線がきらめく中、オートマチックで合体シーケンスは完了する。


「…俺、巨大ロボのパイロットになっちゃったよ…」


足元に見える破壊された街を見下ろしながら、俺はつぶやく。

「とりあえず、出勤するか。」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る