第9話   到着

俺たちはテレポーターを経由してある町に辿り着く。

この大陸一の都市であった。

俺はまずユーカを咎める。


 「ユーカ、なんでついてきた?危ないから来るなと言っただろ。」

 「ごめんなさい。でも、私にはやらなきゃいけないことがあるの。」

 「…そうか…好きにしろ。」


テレポーターを使うには時間がかかる。

俺らの会話が終わるのを待っていた男が声をかけてくる。


 「あの、ソーマ様でお間違いないでしょうか?」

 「ああ、俺がソーマだ。」

 「そちらの方は?」

 「助手です。」


俺はユーカが話す前に答える。


 「なるほど、一旦ギルドの方にお集まりいただいておりますので付いてきてください。」

 「ああ。」


俺らは男に付いていく。

そして、ギルドに着く。

ドアを開けて中に入る。

一斉に視線がこちらを向く。

俺は見知った顔を見かける。そいつは俺に話しかけてくる。


 「久しぶりだなぁー。まさか、お前だとは思わなかったわね。」

 「カレン…。」

 「勇者パには力が足りなかったから追放されたくせに戻ってきちゃったの?」


奴は煽るように聞いてくる。

別に俺は気にもしなかったが、ユーカが噛み付く。


 「なによ。アンタ?」

 「あっ?なんかようか女。」

 「失礼だと思わないの?」

 「事実を言っているだけだけど?ソーマの連れ?これはしっかりと教育してあげようか?」


奴は薄気味笑を浮かべながら言う。


 「その辺にしておきなさいよ。」

 「ブルー、…別にいいでしょ、こいつのことなんだし。」

 「これから協力するのよ。」

 「はいはい、分かりましたよ。…足だけは引っ張らないでよ。」

 「!」

 

は不貞腐れたように顔を背けた。


 「久しぶりね。ソーマ。元気だった?」

 「…ああ、お陰様でな。」

 「…生き残りは私とカレン、ローズだけよ。」

 「そうか…ローズはどうしたんだ?」

 「見たくもないって言って寝てる。」

 「はぁ…。まぁ、いいけど頼むぞ。」

 「ええ。」


こんなので大丈夫なのだろうか?

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