第8話 お願い
ドアが開いて彼女が部屋に戻ってくる。
戻ってきた彼女の顔は部屋を出ていった時の顔とは違った。
「ごめんなさい。」
「えっ?」
彼女は急に謝ってきた。
「…やっぱり、なんでもない。」
彼女は笑っていた。
「…そうか。」
その後二人の間に沈黙の時間が訪れた。
それは、静かであったが気まずくはなかった。
そして、夜ご飯の前に、ゼレンさんが俺を呼びにきた。
「すまない、これから夜ご飯という時間に。」
「いえ、構いませんよ。それでどうしたんですか?」
「協力して欲しいことがあるんだ。」
「…。」
「今、魔王軍の残党によって次々と犠牲者が出ているのは知っているね。」
「ええ。」
「そこで、君にも戦線に加わって欲しい。…魔王軍の幹部との戦いに。」
「…勇者パの生き残りではダメなんですか?」
「彼らだけでは足りないんだ。君が彼らのことをどう思っているかは知っている。ただ、君は僕の知る限り最強の剣士だ。頼む。」
「…奴らはなんと言ってるんですか?」
「使える奴ならいいと。」
「…はぁ、分かりましたよ、行ってきます。…彼女のことは任せましたよ。」
「…ああ。あと、急ですまないが明日から頼めるか。」
「…ええ。やることもないですから。」
「すまないな。テレポーターを用意しておく。」
「分かりました。」
そして俺は彼女に明日からいなくなると伝えると彼女も着いてくるとゴネたが危ないし守りきれないと言って説得した。
そして翌日。
ゼノンさんに言われる。
「全人類を頼む。…あと、思い知らせてやれ。」
「…ええ、行ってきます。」
軽く言葉を交わし俺はテレポーターの前に立ち、乗る。
眩い光が出てきてテレポートする瞬間に、ユーカが飛びついてきた。
そして止める暇もなく俺たちはテレポートをした。
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