第6話 まさか…奴は!
彼女は俺の証明書をみると慌てたように裏に行きギルマスを呼んでくれた。
「やあ、久しぶりだね。ソーマ君。」
「お久しぶりです。ゼレンさん。」
周りが騒ぎ出す。
「なっ…伝説じゃなかったのか…。」
「おい、黄昏のソーマじゃないか!やっぱり!」
「嘘だろ、引退したと聞いたのに…。」
「なんで、こんなところに…。」
ユーカが聞いてくる。
「ねぇ、どういうこと?」
「あれ、ソーマ君正体明かしてなかったの?」
「…ええ。」
「ねぇ。」
「…宿で話す。」
「…。」
「ゼレンさん、部屋って空いてます?」
「ああ、いつもの部屋だろ。空けてるよ。鍵。」
「ありがとうございます。それと、彼女の部屋m…」
「大丈夫。」
ユーカの言ったセリフに俺は驚いた。
「えっ?大丈夫って…。」
「信頼してる。」
俺は彼女のその言葉で何かが動いた気がした。俺の封印されている何かが。
俺は突然座り込んでしまった。
「ソーマ君!大丈夫か?」
「…ええ、少し立ちくらみがしただけで。」
そして、俺たちは心配そうなゼレンさんにことわって部屋に向かった。
俺は荷物を置き、横たわる。
ユーカが心配そうに聞いてくる。
「ねぇ、大丈夫?」
「…ああ、お前こそ大丈夫か?」
「…私は大丈夫よ…。それより一体何者なの、あなたは?」
「…すまない。…俺の口からは言えない。」
「…そう。」
彼女は気まずそうに部屋を出て行く。
「はぁ…、またやっちまったな。」
俺はため息とともに呟き過去のことに思いを巡らせた…。
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