辛さを吐く

 辛さの大きさはそれぞれ違う。

 最初は小さくても周りからの「そんなこと」なんて言う言葉で大きくなる事もあれば、最初から大きく心を埋めてしまう事もある。

 生きているんだから、辛いと感じるのは当たり前なんだ。確かに皆、辛いかもしれない。

 でも、前を向くことの出きる人の辛いと、暗闇をさ迷う人の辛いは異なると僕は思う。

 前を向くことの出きる人は、明日を考えるから、いいことが起こるから、心が満たされるから、人に頼れるから、辛いことも思い出にできるから前を向ける。

 暗闇をさ迷う人は、常に死を考えるから、好きなものを好きと言えないから、心に穴が空いているから、人に頼れないから、辛いことはずっと辛くて光の存在を見失うからずっとさ迷う。

 前を向ける人とさ迷う人は僕の偏見にすぎないけど、誰だって辛いときは辛い。辛いと吐き出すのは勇気がいる。

 辛いと辛いしか出てこなくて、何が辛いのかもわからなくなる。

 なら、わからなくていい。わかれば辛さに加えて痛さも来るからわからなくて良い。

 辛さを溜めるのも口にだすのも辛さを明確にするのもムリにしなくていいよ。

 ただ、吐き出せるときに吐き出すのだけは忘れないで。

 吐き出したぶんまた、辛さが積もったらまた吐き出せるときに吐き出せる居場所で吐き出して。

 辛さを吐くのは悪いことじゃないし、むしろ心が健康になる一歩だから。同じことのループでも、前には進んでいる。見えなくとも、実感できなくとも。

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