その日は不幸な一日

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 なんでこんなに不幸な事ばかりが起こるのかな。


 っていう日、たまにあるよね。


 生きていると、たまたま不幸な出来事ばかりが起こる日がある。


 その日もそんな日だった。




「はぁ~、もうやになっちゃう」


 帰って来た私は、ずぶぬれ。


 土砂降りの雨にふられて、ぬれねずみだ。


 テレビでは天気は晴れる、っていってたから、傘を持っていかなかったのに。


 最悪な気分でお風呂場に駆け込む事になった。


 今日は朝からそうだ。


 散々な目にあってしまった。


「今日一日は、不幸の日だよ~」


 たまにあるよね。泣き面に蜂が続く事。


 朝起きたら、遅刻寸前だった。


 もうここから不穏。


「たいへん、遅刻しちゃう~」って急いで飛び起きるはめに。


 お母さん、起こしてくれればよかったのに。


 それで、慌てて飛び起きて家に出たら、忘れ物してしまった。


「うそでしょ~っ!」


 この時はまだマシだったな。


 とりに戻ったら遅刻確定。


 だからそのまま学校へ向かった。


 その後、バスにのったら、乗る時に転倒。


 すねと額を思い切りがんって、やって「いった~っ!」ってなった。


 そのバスの座席でうとうとしていたら、傷口がひらいて額から流血。


「おっ、お嬢ちゃん血が出てるけど、大丈夫かっ!」


 他の乗客が大騒ぎで赤っ恥。


「だっ、大丈夫ですっ!」


 学校についたらついたで、うるさい生活指導の先生からガミガミ雷。


「まったく、近頃の若者はうんぬんかんぬん」

「(そのお説教で、授業受ける時間がつぶれてるんだっつーの)」


 やっとの思いでクラスに入ったら、笑いもの。


「あいつ遅刻してやんの~」

「あはははは」


 まだまだ不幸は終わらない。


 お昼になったら、弁当の中身が入ってなかった。


「うそ~っ、なんでお母さん渡すやつを別のお弁当箱と間違えてるのっ」


 授業終わりになったら、居残りの補修授業。


「じゃ、帰りの連絡事項はこれで終わり。あっ、お前は居残りな。帰るんじゃねーぞ」

「何も今日やらなくていいじゃん~っ!」


 帰りの道ではカラスにフンを落とされる。


「カアカア」

「ぎゃあああっ」


 そして、ご存じの雨。


 ざぁざぁ。


「ぎゃああああっ」


 これだけ不幸な事が続くって、すごく珍しくない?


 ありがたくない類のやつだけどね。


 はぁ、とんだ不幸の一日だよ。


 不幸のオンパレードってかんじ。


 これだけ不幸になったんだから、その分明日には幸福になる。


 って、言う風だったらいいんだけど。


 世の中きっと、そんなうまくはいかないんだよね~。


 きっと明日もそこそこ悪い。


 だって、私はドジ体質だから。


 今日の不幸のいくつかは、私の自業自得だったりするし。


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その日は不幸な一日 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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