第8話:「ルックス」は、生存の為に極めて重要な資質である

我々が魅力を感じる異性としての美しさとは、運動・健康・頭脳の三つのジャンルに於ける性能の高さ、にある。確かに、自然界を生き抜く動物として、この三つを以って、生存適者としての条件は、、全て揃ったかの様ではある。


しかし、生存を確実なものとする要素はこれだけではない。生存競争について論じる際、その議論の俎上そじょうにあまりのぼらない、しかし余りに重大な要素が一つ、抜け落ちていると言わざるを得ない。


それは何か?


運動能力・健康・明晰な頭脳の三つ以外に、生存に大きく関わる先天的な要素、―――その答えは、実は冒頭ですでに述べてしまっている。


そう、カインとアベルには、他に八人の兄弟がいたではないか。八人とも、全員、子供のうちに命を落とした。(ここでのカインとアベルとは、創世記のそれではない、冒頭で物語った簡易なストーリーの登場人物の仮の名称であり、兄弟であるという以外、共通点は無い)


厳しく不利な条件下で、しかも長く続く「子供時代」を生き抜く為の条件、———成体の庇護を受け続ける、その為に必要な「美しさ」「可愛らしさ」こそが、生存に必要不可欠な条件となるのだ。そもそも、大人になるまで成長出来なければ、健康・運動・頭脳といった優生条件には1ミリも意味が無い。生殖と子育てを行う為に、それが可能な年齢に到達する為に、人は成長するのだ。(原始狩猟社会に於いて、の話である。いや、現代社会に於いても実際には同じだろう)


優美な容貌、

健康な身体、

高い運動能力、

明晰な頭脳、


重要であると、私が個人的に考える順に、挙げてみた。異性に求める魅力の潜在的な要素が、これで揃う。自らの次世代に引き継ぐべきスペックが、これで揃うのだ。


一般的に低く評価されがちな「ルックス」だが、(男は中身だ! とか女は愛嬌! とか・・・)「ルックス」は、生存の為に極めて重要な資質である。我々は異性を生殖行為の対象者として評価する時に、自らの子孫が成体の庇護をどれくらい受けられるか、どれくらいの確率で成長できるかを、———測っているのだ。


だから、男性が、若い女性をジロジロ眺めてしまうのは、来るべき次世代の個体の、命懸けのマネジメントなのだ。見てるのはオレじゃない、未来の子孫が見ているのだ、可愛いものだ、と思って暖かい気持ちで、そっとして置いて欲しい・・・


さて、千字になった。次話、ここから更に、話を先に進めたい。いよいよ、私自身が酷いロリコンであり、無惨なショタコンであることを、本格的にバラして行くことになる。








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