ねえ、想像してみて。

 ここに一羽の小鳥がいるって。


 どこまでも飛ぶ。

 どこにでもいける。

 それはつまり、自由ってことだよ。


 真っ白な病院


 つばさが目を覚ますと、そこは真っ白な病院のベットの上だった。

 病室の窓は空いていて、そこからとても気持ちの良い風が、つばさしかいない物静かな病室の中に吹き込んでいる。

 時計を見ると、時刻は二時を少し過ぎた時間だった。

 つばさはなにも言わないままで、ただそんな退屈な(もう見慣れてしまった)風景を眺めていた。

 少しして、とんとん、と病室のドアをノックする音が聞こえた。

 その音を聞いてつばさは首をかしげる。

 誰だろう? お母さんかな?

 そんなことを思いながら、つばさは「はい。どうぞ」と声を出した。

 するとがらっと病室のドアが開いて、そこから懐かしい顔が(葉っぱが芽を出すように)見えた。

「お邪魔します。つばさちゃん」

 そう言って手に果物の入った大きな籠を持っているひかりちゃんが(少し恥ずかしそうにしながら)にっこりと笑って、そう言った。

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