キリンビールの地下室

 キリンビールの会社の地下室はとても頑丈で広かったこともあり、当時は地域の人たちの避難場所として解放されていました。

なぜなら、戦争中の食料難で麦などの原料が手に入らず、ビールの生産どころではなく、地下室は空っぽだったからです。

地下室には多くの人が避難して来ました。

 地下室の中にいると、外の物音が聞こえないため、不安な時間が流れていました。

そんな時、街を守るために地下室の外で頑張っていた男の人たちが戻って来て、

「ここを出ないと危ない。これ以上ここにいたら蒸し焼きになる。今出ないと橋が落ちたら逃げ道を断たれる」と言いました。

 というのも、船場ふなば地区は堀川が多く、橋がたくさんありました。だから、それらが落ちてしまうと最悪の事態になるのです。

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