同じ場面を親と子の視点に分けて描くことで、この母親の息子に対する異常な愛情がより鮮明に浮かび上がってくるという見事な構成。文章量は短いものの全体を通して著者の卓越した言葉選び、言葉遊びのセンスがうかがえます。大変面白い作品でした。
息子に対して異常な愛を語る母の視点とその歪んだ愛を受ける側として描かれる息子の視点。2話構成でたった1200字の内容ですが、千鶴さんの秀逸な言葉選びと表現で独特な世界観が創られています。ゾクッとする不穏な空気を終始漂わせた面白い作品です。皆さんもぜひ。