第38話
「冴姫さん」
「「誕生日、おめでとう」」
「ありがとう、二人とも」
プレゼント選びの日から、日が経って誕生日当日。クラッカーを鳴らして、冴姫さんを祝う。
「これ、全部晴夏君が用意してくれたものなのかしら?」
「そうだね、冴姫さんが喜んでくれるといいなって思って、張り切りすぎちゃいました」
「ふふっ。なら期待に答えて全部食べないとね」
「ムリはしなくて良いですからね?」
「ムリなんかじゃないわ。私はあなたの作ってくれたものなら何だってどれだけだって食べたくなるから」
でも、本当に作りすぎちゃったんだよな。
冴姫さんが僕の料理を褒めてくれるから、調子に乗って作りすぎてしまった。まぁ、明日の朝とか余った物は食べればいいから別にいいか。
「じゃあ、皆さん席に着いて早速食べ始めましょうか」
「そうですね、美味しい料理が冷めちゃいますから」
「「「いただきます」」」
三人で和気藹々と食べ進める。
冴姫さんは、僕の料理を口に運ぶたびに幸せそうな顔をしてくれて、美味しいって言ってくれるし、絵美里もいつものように美味しそうに食べてくれるので、とても嬉しくなる。
あれだけあった料理も、いつの間にか八割くらい無くなってきているので、僕は冷蔵庫からケーキを取り出す。
「これ、絵美里と二人で作ったんですけれど、お腹いっぱいですか?」
「二人で作ってくれたんですか?もちろん、食べます。食べないという選択肢なんてありませんから。それに甘いものは好きですし」
甘いものは別腹なのか、ケーキも喜んで食べてくれた。
ケーキも食べて、一休憩し終わったタイミングで、二人で冴姫さんにプレゼントをあげることにする。
「あの、冴姫さん、これどうぞ」
「凄く可愛いです!これを私にくれるんですか?」
「はい、もちろんです」
「ありがとうございます、この子、すっごく大切にします」
冴姫さんはギューッと大きめのクマのぬいぐるみを抱きしめてほほ笑んでくれる。その顔は凛々しい顔とは対照的に凄く嬉しそうで幸せそうな顔をしているので、此方まで嬉しくなる。
「私からは、これ。ここでは開けちゃダメだよ」
「...?ええ、ありがとう」
「中身は......」
僕には聞こえないように絵美里が冴姫さんの耳に口を寄せて何かを言う。
一体何が入っているんだろう?それに、あの冴姫さんが顔を赤くしているような感じもするし、話し終わってから僕を見る目がどこか歪んでいて、そして淫靡な雰囲気を漂わせている。
「晴夏、そう言えば私、今から用事があって」
「あ、そうなの?」
「うん、だから冴姫となかよくね」
「うん」
絵美里が冴姫さんに何か一言声を掛けて、帰っていく。
「ねぇ、晴夏君」
「なんですか?」
冴姫さんが僕の事をギュッとしてきたので抱きしめ返す。先ほどより、頬の赤みがマシてそれに目が淀んでいるような。
「目、閉じて」
「え?はい」
素直に目を閉じると、次の瞬間には口に湿った潤いのあるものが当たり、閉じている口の中に何かが侵入してくる。
目を開けると僕と冴姫さんはキスをしていて、冴姫さんは夢中になって舌を絡めていた。
「しゃ、冴姫さん」
「晴夏君、晴夏君、晴夏君、晴夏君、晴夏君!!!」
今まで我慢していた者が溢れたかのように、僕の口の中へと舌が侵入して蹂躙していく。
僕も冴姫さんを受け入れて、彼女の思いにこたえるように舌を絡めていく。
「ねぇ、晴夏君」
「何?」
「ベッド、いきましょう?」
「そ、そうですね」
冴姫さんを連れて寝室へと行く。
冴姫さんは何かを取りに行くために、部屋から出ていく。その間、僕はドキドキとした気持ちで待ち続けていた。
そして、帰ってきた冴姫さんを見た時、僕は言葉を失ってしまう。
「どう、かしら?」
「す、すごく、き、綺麗です」
真っ白なベビードールを着た彼女はものすごく魅力的で、僕の性癖に刺さっていて凄く興奮する。
「これね、絵美里から貰ったの」
「そ、そうなんですか?」
「晴夏君はこういうのが好きだからって」
「うっ」
だから絵美里は、何を買ったのか僕に言わなかったのか。それに、絵美里は何で僕のそういうことを知っているんだと言いたくはなったけれど、この僕が好きな格好をしている冴姫さんを見れてありがとうっていう気持もある。
「興奮、する?」
「は、はい」
近づいてきた冴姫さんは耳元でそう呟くので、コクコクと頷くしかない。
「じゃあ、しましょうか」
行為が始まってからの冴姫さんは、物凄くエッチで、綺麗だった。
僕がもう無理だと言っても中々やめてくれず、ずっと搾り取られ続けたとだけ言っておこうと思う。
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