お客様二人目 ~がっこう 第二話~
僕の高校生活も始まり、友人もできた。
僕と同じように、同じ環境で過ごすことを心地よいと思う人種で
校則を守れば自由に校内を過ごすことは問題なかったし、バイトは禁止されていたけど部活に精を出して放課後はそれなりに充実していた。
学校帰り、たまたま会った中学の友達が僕の頭を見て野球部に入ったのかと思ったらしく驚いていた。
校則でこうなんだよと説明したら、
「どういう学校だよ~?ひぇ~!オレ絶対無理だわ~」と驚いていた。
そんな彼は制服を着崩して、髪を染めていて、眉毛が細くなっていた。
無理もない。彼には僕の学校は無理だろう。
僕は、こんなにも簡単に流されてしまう彼を哀れに思い、今の厳しい校則に身を置いている自分を誇らしく思った。
そんな彼に会って僕も思うことがあって、教室を見まわしてみると僕のようにこの学校を望んで入学してきた生徒もいれば、親に言われて無理やり入学してきた生徒もいるようだった。
いつも先生に服装で注意されているN君や、突然眉毛にピアスを開けて先生に激怒されているY君もきっと普段から素行が悪く親に無理やり入学させられたんだろうと思った。きちんと規律を守っていればあんな風に叱られて嫌な思いもしないのに・・・。
あえてルールを破って自己主張をしようとする姿に僕には理解ができなかった。
そんな彼らを反面教師にして、僕はワイシャツの襟を正して席に着き次の授業への準備を整えるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます