パート2 芸を覚えさせよう


「お兄ちゃんー」

妹は俺に右手を差し出している。

「·····なに?」

「なにって、お手だよ、お手!」

「·····やです」

「しっぽ揉むよ?」


「くっ·····」

俺は謎に震える手で妹の手のひらに自身の右手を置く。勘違いしないで欲しいんだけど、揉まれるのが嫌なだけであって、これは俺の意思じゃないからね?

「かわいー、じゃ、次はおかわり!」

「ん·····」

今度は左手を乗せる。

あぁ俺何して·····何させられてるんだろう。

「これで満足か·····?じゃあ」

「ちんちん!」

「··········ふぇ?」

そのセリフに全俺が困惑した。

「あ、あの、ちん、ちんちんって、あの?」

「知ってるでしょ?犬がやる奴だよ!まぁお兄ちゃんはキツネだけどさ」

知ってる·····知ってるけどさぁ。

「こんなの人権侵害だ·····っ!」

「お兄ちゃんはケモノじゃん」

「そうだったわ!!くそ!!」

「ほら、早くしないと胸揉むぞ?」

妹は俺の胸に指を這わせてくる。

「んっ·····最低·····っ」

俺は1呼吸置き、膝立ちになり、両手·····いや両前足を顔の横に持っていく。なんだか俺の中の尊厳が壊れる音がしたけど、その様子を見た妹は満足そうに笑った。

「よーし、いいこいいこ!」頭ナデナデ

「んっ··········」

撫でられるだけで体がゾクッとする。どうやらこのケモノの体はかなり敏感なようだ·····。

「いやぁー、いいこだねぇ!あっ、でもお兄ちゃんはメスケモだからちんちんじゃなくて、まんま·····」

「にぎゃぁぁぁっ!!」キツネパンチ-

「ぐっは·····♡」



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