俺の推しは守り特化だと思ったら、超攻撃特化でした。

黒咲蒼

第1話

 君はアイドルを推したことはあるか?


 俺は今、絶賛推している!!!


 俺が推しているのはアイドル!

 まだ、メジャーではないがかなり人気のあるソロアイドルだ!!


 え?誰かって??


 教えてあげましょう!!


 俺が推してるのは、「青柳御盾」さんです!!

 イメージカラー、寒色系!

 身長162cm(ちなみに俺の方が高くて、その差15cm差!!理想のカップルの身長差だね)

 体重ひ・み・つ♡←これ萌でしかない!!マジ神!!

 スリーサイズは非公開(ファンの目測なら割と控えめな方?)

 趣味は、お家でゲーム!最近はオンラインfpsにハマってるとか…?(なお、下手っぴでランクとかは低いらしい)


 てな感じなアイドルが、俺が推す青柳御盾ちゃんです。


 最近SNSでストーカー被害に遭ってる的なことを言っていたので、今日は彼女をお家まで護衛したいと思います!!


 あ、俺の見た目が知りたいって?



 いいでしょう、教えてあげましょう!!!


 名前は、緑川咲夜。

 推し歴、3年!(ちなみにデビュー当初から)

 身長177cm

 大学2年で年齢はまだ19

 高校まで部活やってたバリバリのスポーツマン!

 その名残でだいぶ体は仕上がってる。


 てな感じだ!


 え?いらないって?


 いいじゃねぇかw


 あ、彼女がライブハウスから出てきた。


 では護衛スタート!


 ちなみに、今日のセトリはつい最近の曲一曲と、前回の投票一位曲だった。

 どちらも彼女の良さが詰まっててとても良かった!!!


 いや、もう最…バチっ



 俺は、身体が地面に崩れていく感覚だけ感じることができた…………















 俺が目を覚ますと、辺り一面にピンクの家具が置いてある部屋だった…


「なんだここ」


 そう言いながら立ちあがろうとすると、ガシャンと音をあげ、俺の脚と椅子を固定している鎖が音を上げた。


「おーいだれかいるか??」


 俺は薄い希望を胸にそう目の前のドアのほうに声をかけてみた。


 すると、




 ガチャッ



 扉が開いた。


 そこに立っていたのは、青柳御盾ちゃんと瓜二つな少女だった。

 違う点は特に見当たらない…でも、彼女が何故こんなところにいるのか、俺にはわからなかった。



 彼女の口から発せられる言葉を聞くまでは…




「あ、起きたんだ。今日も見に来てくれてたよねニコッ。ありがとう!!」


「天使だ…」


「うふふ、ありがとう」


 そこで俺は気づいてしまった…



 彼女の手に握られている、



 リードと首輪に…



「あ、あの、俺なんかが、御盾ちゃんに話しかけるなんて、許されないことだと思うんですけ…



 バチンッ



 痛っ…



 え?」



 この時、もうすでに俺は色んな感情が溢れて少し涙が出てきたような気がする…


 そんな状態の俺を前に彼女は、いつもと変わらない声、いつもと変わらない髪色、いつもと変わらない体で、俺の前まで寄ってきて、さっき俺に振り下ろしたムチを俺の目の前に持ってきた。


「なんで叩かれたか、わかる?あ、しゃべっちゃダメだよ〜?だって、君はみーの奴隷だから!!!」


 どうやら、彼女は普段一人称がみーらしい。(ちなみに、アイドルの時は御盾である。)


 って言うかしゃべっちゃダメって…え!?


 じゃあ、どうやって叩かれたかの弁明?をするんだよ…


「5〜」


 え?カウントダウン始まったんだけど!?


 なんか地味に音程とって言ってるからクソ可愛いし!!


 え?どうすれば…


「4〜」


 あー、ちゃんとカウントダウンだ〜!!


 0まで行ったらまた叩かれるのかな…


 いや、それはそれでアリなのか?


 いやいや、なしだよ!痛いもん!!さっきのところ赤くなってるもん!!!


「 3〜」


 あー、あと3秒しかな……


 バチンッ



「痛っ」




「あは!声出しちゃったね!!あーあ、約束破っちゃった子には、どーしよーかなー」




 え?いやいやいや、


「そんなのズルでしょ!?」



 バチンッ



「まだ、しゃべって良いなんて言ってないよね?」


 そう彼女が冷たく俺に言い放った。


 俺は口を必死に閉じておくことしか出来なかった。


「あはは、可愛い〜!!写真撮って良い?あ、流石にもう学習して喋らないか〜。あーそうそう、なんでアンタがここにいるか、ここが何処なのか、なんで叩かれたか、教えてあげるよ」


 写真!?う、嬉しい…


 今まで、チェキしか…っておいーそんなのどうでも良いだろ!


 なんでここにいるのか、何処なのか、叩かれたのかを教えてくれるだって!?


 俺は必死に首を縦に振った。


「あはは、必死すぎ〜。まあ、いいよ。色々教えてあげよう。ただし、君は私の奴隷ね?君に拒否権はないよ。というか、理由聞いたら、断れないけどね〜」


 ど、れい?


 まるで女王様みたいじゃないか…


 でも、拒否権がないって、どういうこと…だ?


「まず、私のことは知ってるよね?ソロアイドル、青柳御盾。あ、でもリアルでは赤城御矛って言うから、ちゃんとご主人様の名前は覚えといてね!で、次にここは、私の家。一人暮らしなんだ〜だから騒いでも大丈夫なんだよ!ここにいる理由は〜君を私がここまで連れてきたから!それで、叩いた理由は、君が私をここ数ヶ月ストーキングしてたから、それのお仕置きかな!」


 え?俺がストーキング?


 俺は彼女を守っていただけなのに…


「あ、もしかして君は守ってるつもりだった?でも〜会場から家の真前までくるのは、普通にストーカーだし普通なら警察だよ?でも、私思っちゃったんだ!君が、私の欲を満たしてくれるなら許してあげようって!!だから、君は私の奴隷になるの!!!あ、ちなみに断ったり、途中で逃げ出そうものなら、警察に行ったり、SNSに色々書いちゃうからね?」


 …



 俺は、正直…



 とても興奮した…!


 俺の推しが、俺の思ってた、清楚系とは裏腹に、リアルではこんなサディスティックな一面を持っていたなんて…


 ファンとして知れてよかった…


 カチャッ


 あ、首輪をつけられてしまった。


 まあ、いいか!


「はい!俺は貴方の…」


 バチンッ


「奴隷は〜そうだな〜わんちゃんみたいに、ワンしかしゃべっちゃダメね?いいね?」


「ワン!!!」


「はい、いい子」




 これが、俺の推しが守り特化だと思ってたら、超攻撃特化だった…


 って話の始まりだった……























「あー!やっぱり咲夜くんかっこいい!!!!もういつもいつも握手とかチェキの時に濡れてるのバレてないかヒヤヒヤしてるのに、あんなに近くにいたらもう大洪水だよ…///」


 部屋で1人叫ぶ女子がいたとか…いないとか………

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

俺の推しは守り特化だと思ったら、超攻撃特化でした。 黒咲蒼 @Krosaki_sou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ