第25話 浮いては、花
「チッ…降ってきやがった。」
天使は片手で額を押さえながら空を仰ぐと、怪訝そうな顔で雨粒を払い除けた。鬱陶しさから勢い風を
人魚は練習がてらに
『流石に…
会話らしい会話で
ひたすらに降り
月光に照り出されていた海は暗闇に変わり果て、
先刻降り始めた雨が徐々に空気を冷していく。
…空中に二つの影が
「…思い出した。」
「!?…何を…いや、ゆっくりでいい。続けてくれ。」
唐突な言葉に先を急ごうとするものの、焦りは禁物。少しずつ、確実に、
いや、この世界諸とも…それ程に時空空間移動は厄介な
再び、人魚はぽつりぽつりと思い付くまま話し始めた。
「…あの
『ー正解ー』
低い声が静かに響く。
途端、鮮烈な
「…ぅわっ…なにっ…」
「…っ…まさか!?」
咄嗟に身構えるが、閃光の強さに耐えきれず深く眼を閉じる他ない。
何せ
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