第4話 そうだ、トイレの花子さんに質問してみよう!


(SE)チャイムの音


モブ(1)

「きりーつ、れい」


モブ(大勢)

「「「ありがとうございましたぁ」」」


(SE)教室のざわめき、迫る足音


リナ

Heyねぇ Kyonキョン, how are you?元気にしてる?


キョン

「…………」


リナ

Kyon, what's wrong?キョン、どうしたの?


キョン

「え? あ、もしかして私に話しかけてた?」


リナ

Of course!もちろん!


キョン

「ごめん。とりあえず英語やめてくれる? っていうかなんで英語?」


リナ

「実践練習よ。やっぱり英語は話さないと上手くならないと思うの」


キョン

「とても良い心掛けだけど、私を巻き込まない範囲でお願いしたいわ。それで今日は何の用?」


リナ

「あ、そうそう。今から花子さんのトコロに行くから付き合ってくれない?」


キョン

「花子さん」


リナ

「そう、花子さん。ほんのちょっと話すだけだからっ。ねっ、お願い!」


キョン

「まず花子さんが誰だかわからないわ。せめて名字を教えて」


リナ

「えー? 名字はわかんないなあ」


キョン

「そんなことある? 確認なんだけど、花子さんってうちの学校の子なのよね?」


リナ

「あったりまえじゃん! なんかね、いつも3階の女子トイレの3番目にいるの」


キョン

「それはもしかしなくても『トイレの花子さん』のことかしら」


リナ

「へぇ、そんなあだ名で呼ばれてるの?」


キョン

「はやくも都市伝説の枠を越えて、学校の怪談に手を出しはじめたのね」


リナ

「学校の猥談わいだん?」


キョン

「それはリナのオッパイだけでお腹いっぱいよ」


リナ

「ひとのオッパイをわいせつ物あつかいしないで」


キョン

「あら、ごめんなさい。ねたましくって、つい」


リナ

「そっか……こっちこそゴメンね」


キョン

「かわいそうな目でひとの胸部を見ないでもらえるかしら。そのムダにデカい乳房を引きちぎるわよ」


(SE)胸を隠す衣擦れの音


リナ

「ひぃぃぃっ!」



   ♡   ♦   ♡   ♦   ♡



キョン

「3階のトイレまで来たわけだけど、次はどうするんだっけ?」


リナ

「えっとねえ、3番目の扉を3回ノックするの」


キョン

「なんでそんなに3にこだわるのかしら」


リナ

「さぁ(ん)ねぇ」


キョン

「うわぁ…………」


リナ

「ごめんて」


キョン

「私、もう帰ってもいいかしら?」


リナ

「待って、待って! せめて3番目の扉をノックするで待ってて。すぐ終わるからっ」


キョン

「放課後なのになぜか3番目の扉だけ閉まっていることに作為を感じるわ」


リナ

「キョンは大げさだなあ。ハナちゃんが入ってるんだから当然でしょ」


キョン

「ハナちゃんて」


(SE)コンコンコン、とノックの音


リナ

Is Miss Hanako here?花子さんいらっしゃいますか?


???(女のコの声)

「……い、いえす」


リナ

What is花子さんはMiss Hanako ここでなにをしてdoing here?いるんですか?


???(女のコの声)

「そ、そーりー。あ、あいきゃんのっとすぴーくいんぐりっしゅ」


リナ

Okay, goodbye.わかりました、さようなら


(SE)足音


リナ

「ハナちゃん、英語ぜんぜんダメだったね」


キョン

「いやいやいや、なにコレ! え? いま私はなにを見せられていたの!?」


リナ

「キョンもわざわざ付き合ってくれてありがとね」


キョン

「リナがどうしてそんな平気な顔をしていられるのか理解に苦しむわ」


リナ

「あたしはキョンがどうしてそんな動揺しているのかわかんないんだけど」


キョン・リナ

「「……………………」」


キョン

「トイレの花子さん、よね」


リナ

「トイレにいる花子さん、だね」


キョン

「学校の怪談でよくある、お化け的なアレよね」


リナ

「キョン……、ひとのことをお化けなんて言っちゃダメだよ」


キョン

「ん?」


リナ

「ん?」


キョン

「もしかして花子さんって、本当に普通にうちの学校の生徒だったりする?」


リナ

「え? だからそうだって言ってるじゃん」


キョン

「そんなこと言って……」


キョン(回想)

『確認なんだけど、花子さんってうちの学校の子なのよね?』


リナ(回想)

『あったりまえじゃん!』


キョン

「言ってたわ! ちゃんと言ってた!」


リナ

「変なキョンだなあ」


キョン

「なんでかしら。私はいま、とてつもない敗北感を感じているわ」


リナ

「大丈夫? おっぱい揉む?」


キョン

「…………」


(SE)衣擦れの音


リナ

「あっ……今日はなんでそんな……手つきが、やらし……あんっ、ちょっ、そろそろやめ、あっ、あっ、ダメッ、キョンってば、あっ、いやっ、あっ、んっ(※フェードアウト)」






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