第3話「相方は父親!?」
そうだったのか、あの女が俺の……
「おい!体壊してるってどういうことだよ!」
「あ、えっと…」
「お前まず何者だよ」
「演芸場でマジックを…」
「お前か!新しいマジシャン!じゃ話が早い!聞いてくれよ!この警察官よお、1万円を1000円に変えるマジックしたらよ、詐欺だ!って俺の事捕まえたんだぞ、冗談も通じねえのかよ!こんなことで警察が騙されてちゃ世話ねえよな」
「は?呆れるわ」
「なんで初対面のやつにそんな事言われなきゃ行けねえんだよ!」
「そんなことばっかしてるからろくな死に方しねえんだよ!」
「死んでねえよ!!!」
「死ぬんだよ、!!」
「じゃ俺今何だよ!!」
『うるせえ!他所でやってくれ!』
警察官に怒られた。
俺は、あんな最低な父親と久々に顔を合わせ
いがみ合うことしか出来ず、その上ようやく顔を見ることが出来た母親が俺が少し惚れかけていた舞香さんだったって知ってよりどん底に落とされた気分だ。
最悪な走馬灯だ。
舞香さんと親父。いや俺の両親の家に着き、
親父は何事も無かったかのように
「おい、具合大丈夫かー」と言うと
舞香さんは、思い切り頬を叩いた。
「省ちゃんいないうちに私妊娠したんだよ、?」
「え、ガキ…?」
「そうだよ」
「よくやった!舞香!!!」
「さすがでしょ?笑」
「さすが俺の女だ!!!」
そういうと親父は、舞香さんを抱きしめた。
「ごめんなさい、ロンさん」と舞香さんは
久々省吾に会えた喜びをかみ締めながら俺に言った。
俺は、ふたりの部屋を後にした。
どうして、あんなに喜んでるのに
親父は他に女なんか作ったんだろ。
舞香さんだってそうだ、あんなに喜んでるのに
連れてっていってくれてもよかっただろうに
どうして俺を置いていったの?
最後の走馬灯でまたあのふたりへの
苛立ちや恨みを再確認されているような気持ちに陥っているのを体全身で感じていた。
次の日、桜木さんは俺とパクを呼び出した。
「お前ら、ペアを組め。」
「は!?なんでこんな男と!」
「そうですよ!桜木さん!パクとなんか組めません!」
「ロン、マジシャンはお前だ。パクお前はロンの助手だ。」
「おい!どういうことだよ!なんで俺がこんなやつの助手を!」
「パク、言っちゃ悪いがお前じゃ客は来なかった。でもロンだと客は埋まりつつある。この街にロンが来てくれて活気が戻ってきた。お前そんなマジックできるか?」
「それは……」
「第一、舞香がガキいるんだろ?お前働かないとだろ?あと舞香にはしばらくは働かせれねぇんだぞ?」
「わかってます、くそ。わかりました、こいつの助手やりますよ」
こうして俺は、実の親父と、というか
同い年の親父とペアを組むことになった。
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