第19話 始まりの魔王

「そ、そんな馬鹿な……。この私が……」

 四八発の《自爆》を食らい、バウロスは満身創痍になっていた。もう飛んでいられないのか、地面に足をついている。

「神であるこの私に、よくも土を踏ませたな‼」

「うるさい」

 俺は最後の駄目押しに折れた聖剣をバウロスに突き刺す。魔剣はもう、刃の部分がなくなり、柄だけになってしまっていたからだ。

「《封印》」

 俺は適当な石像を出し、そこにバウロスを封印する。

「さて、これで心置きなく魔王を名乗れるな」

魔剣も聖剣もなくなってしまったが、俺は魔技師。また直せばいい。

「「ルビア!」」

「スペルビア様!」

 エルマとカザリは俺に抱き着き、アリステラは跪く。

「ご覧ください」

 アリステラが指をさす方向を見ると、魔族が歓声を上げていた。

「全ての魔族が、始まりの魔王の再誕を喜んでおります」

「そうか」

 本当なら剣を天に掲げたいところだが、魔剣は使い切り、聖剣も折れてしまった。

 仕方なく拳を天に掲げる。

「我こそは、始まりの魔王、スペルビア・ダークロードである‼」

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転生魔王は勇者を目指す 八月十五 @in815

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