第18話 魔剣エンドロール
「ハハハ……ハハハハハハッ‼」
俺は笑った。
「なんだ? 狂うには早いぞスペルビア」
「俺が、この俺が唯一認め、嫉妬し、転生までして、ようやく手に入れた聖剣を……よくも、よくも! よくもおおおおおお‼」
もう容赦はしない。
「《英雄》」
この《英雄》の魔法は、《転生》の前に俺が作り上げた魔法だ。使用者の全能力を二倍に引き上げる。しかし、その効果は三十分間だけ。制限時間が過ぎれば、その後一時間は使用者の全能力が半減するという強大なデメリットを持つ。
故に使いづらいが、俺よりも強い奴との戦闘では重宝するかもと開発した魔法だ。
「ほう、多少はマシになったようだな」
「まだだ。《召喚》」
《召喚》の魔法は離れた場所に存在するものを近くに取り寄せる魔法だ。これにより、俺はコレクションルームから、最高の宝物を《召喚》する。
「これ」には俺以外が触れられないように魔法をかけておいたので、勝手に持ち去られる心配はなかった。
地面に突き刺さったのは、眩い鎧と、一振りの剣。鎧は総エレメンタイトで作られており、鎧の各部位に四つの魔法が《付与》されている。
「ほう。中々見事な鎧だな。だが、剣のほうは手抜きか」
バウロスがそういうのも無理はない。剣はただの鉄製で、しかもひび割れている。
「いいや、これが俺のとっておき。魔剣エンドロールだ!」
地面に突き刺さった魔剣を抜き、再び《浮遊》と《加速》の魔法で飛び立つ。
「何度やろうと結果は同じ!」
神剣と魔剣が打ち合う瞬間、大爆発が起きた。
「「ルビア!」」
「スペルビア様……」
エルマとカザリが叫び、アリステラは膝を折った。
俺が使ったのは《自爆》の魔法。自身の全魔力を使用し、大爆発を引き起こす魔法だ。
「ふん。自滅とは、つまらん」
「何のことだ?」
土煙の中から、俺は姿を現した。
「馬鹿な!
せっかくだ。説明してやろう。
「この魔剣、エンドロールにはその破片全てに《自爆》の魔法が《付与》されている」
俺の装備でこの剣だけがエレメンタイトではなく鉄製なのは、《自爆》で消費する前提だからだ。
「ふん。だが、何発食らおうとその程度、何の痛痒にもならん」
「そうか、なら頑張ってくれ。残り四八発」
魔剣エンドロールの破片は四九個ある。さっき一発使ったから、残りは四八発だ。
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