第15話15
ロシア中国国境を超える。4次元方向未来側から侵入するので、人類には検知できない。
時間軸も移動しているので、最初に事故が起こったのは直近の降臨実験施設で、ツヴォーリ実験場では実験前の私が生活している。
同時多発テロのように、中国、ロシア、アジア、インドでほぼ同日にテロが起こり、ヒマラヤからの洪水と破滅と天の裁きが開催される。
新疆ウイグル自治区、自治区とは名ばかりで、民族浄化されてしまい、核実験場まであり、電磁波装置で気候変動実験まで行われた地獄。
もう時空が歪んでしまって、異世界平行世界への門が開いていそうだ。地獄の蓋はもう開いてしまっているが。
東トルキスタンと言う国名もあったはずだが、チベットと同じで中国共産党に占領され、何もかもが破滅させられた。
腐敗役人を追い払って、プラハの春のような開放状態もあったが、人民解放軍の機甲師団がすぐに到着して死体の山。
イスラムのトルキスタン人を、預言者(アラー)の前に送って開放するために処刑。
武装した男は機銃掃射と大砲でミンチにされたか、降伏しても反乱を起こした男は街路樹に吊るされた。
イスラム圏でも女達は情け容赦なくレイプされ、中国人の子供を産むか、不妊処理されて民族浄化完了。
西域の蛮族と呼ばれた遊牧民や、さらに西のイスラム圏まで、奴隷になった者だけが生きている地獄。
男の子もオカマかホモになって、中国人に体でも売らないと殺される。
生き残っている者も、国外の親戚に電話する際には必ず監視されて、余計なことを言った瞬間に電話を切断されて、その場で逮捕拘束されて、拷問三昧の日常が始まる。
そこを中国共産党から解放してやろうではないか。
ソビエト占領下のモンゴルのように、人口の3分の1が投獄されて粛清されて死に、残りの3分の1は政治犯だとか濡れ衣を着せられて強制収容所で死に、共産党の奴隷になった者だけが生き残った地獄とは違い、漢民族以外は生きていけない場所。
チベット人と同じで、天への祈りが通じて、ここの奴らだけがこの地獄での生活しないで済むように救われ、天の国へと迎え入れられたんだろう。
ロシア国境を封鎖している軍や、越境して村を作ったりしている漢民族も、神の軍団が掃滅する。
中央に報告して軍が集結する間に、私のコピーが黄河を下り、長江を下って東南アジアを目指す。
何もしないで通過すれば、ただの光っている変な物が川を下って行くだけに見えるだろう。降臨実験の関係者が見ない限り。
イヴァンカも生き残れば、中国を荒らしまくって、降臨実験施設にいる姉妹を回収しながらトバ火山に向かう。
奴には移動砲台になっている男の子を死なせてやり、今までに吸収した姉妹たちに新しい体を与えるように言ってある。
ただ、こいつらにはマインドコントロールが残っている可能性が高い。イヴァンカが吸収、再分裂した姉妹たち全員もだ。
消えたマリアも良い子だっただけではなく、催眠術以上の脳支配、神経支配が行われていて、政府や上官への忠誠心も植え付けられていた。
私のように人体も脳も捨てて、人格と記憶だけ移動しただけでなく、上位世界からの説明書、未解読の解説書まで読みきって、人間共の操作からも、人間としての神との契約、人類としての植物との契約、それら全てから無理矢理解脱したのでもない。
記憶の中の支配を焼き切ったり、奴らの脳に埋め込まれた、忠誠を誓って尻尾を振ると快楽物質が分泌されるような電極を取った程度だ。
案外マリアが人類側に戻ったのも、良心の呵責ではなく、何らかの支配状態が再現されただけかもしれない。
もしかしないでも、私の行動も国内の施設を破壊したのも含めて、ロシア人には予定通りの行動なのだろう。
実験に失敗して周辺諸国を焼き払い、全面戦争に持ち込む理由にする。
テロリストで悪魔が誕生したことについては、原因不明だとか事故だと言って被害者面をして、いつも通り謝罪すらしないだろう。
全員が、私のコピーまで含めた鹵獲兵器が、中国とインドとアメリカを破滅させてから、ロシアに寝返る可能性も考えておこう。
「極東制覇(ウラジオストック)せよっ!」
ここからは私の本体をできるだけ隠しながら、コピーだけ送り出して、数日の寿命しかない奴を、何体か別経路で全力で先行させてトバやタウポまで走らせる。
さあ、誰か私を止められる奴は準備してあるか? どうせ死ぬ体だから、食事させる必要すらないが、壊れて死んだ移動砲台の体を一部持たせてある、食いながら走れ。
色気を出して三渓ダムを破壊してから行こうか? どうせ人類丸ごと滅ぶのだから、あまり欲を出さないようにしないとな。
今回の私たちは解放軍だ、ほんの少しチベットにも兵力も派遣する。
各個撃破される分散攻撃だが、予告も何もなく開始されるゲリラ攻撃で自爆攻撃だ、誰にも予測などできない。
4次元生物には簡単なヒマラヤ超えもして、氷河湖もダムを決壊させて、積もりに積もった雪を溶かして下流も壊滅させる。
『光あれ!』
ツヴォーリ基地での私の生誕を祝い、ヒマラヤの何か所かで光の速さで足を動かし、底に溜まった泥、ヒッグス粒子を吹き払う。
8千メートル上からの遮蔽物がない電磁場攻撃。少ない収入から携帯電話を契約した奴には気の毒だが、テレビもPCも電子レンジのような電磁場で、見渡せる限りの電子機器が壊れただろう。
まず原因不明の災害で氷河湖が決壊、頂上付近からの猛烈な雪崩が起きた。私達は濁流を追ってヒマラヤを駆け降りる。
『主よ~~、御救いの手を差し伸べ給え~~』
国境付近の駐屯地でロシア語の聖歌が響き渡り、中国国境、インド国境、チベット、東トルキスタンに配備された軍隊を同時多発的に破滅させる。
大半の奴らが濁流に飲まれて死んでいたが、生き残りにも誰の仕業なのかを教えておく。
そうだ、この悪魔で怪獣はロシア製だ。お前たちが死ぬのはロシア人のせいだから、必ず復讐してモスクワまで攻め込むんだぞ。
人類の日付では、この事件か三渓ダム決壊が最初の大事故になるだろう。
対抗手段が存在しない4次元の上から、上が閉じられていないオモチャの家やバケツを踏み潰され、大音量の聖歌で制圧されて、凍るような汚泥の中で閉じ込められ、誰も身動きできないまま処刑されて行く。
いつものように、光り輝く天使が降臨して逃げ惑う、ここまでの大惨事、奴らは裁きの日が来たのだと思うだろう。
「だrほdたあsgsrhrtだrfs」
中国語なので何を言っているのか分からない、もうすぐ消える言葉だが、覚えておいて損はないかも知れない。
散発的な攻撃はあるが、通常兵力は四次元方向になど攻撃は出来ない。
最下層に下ろしている3次元体や、逃げ惑う天使の影に無駄な発砲を繰り返しているが、そいつらは物質で出来てはいない。
中国に配備されている移動砲台も、インドで生産しているのも、ロシア製の図面や製法を盗んで丸パクリした物。
頭が足りない無原罪の男の娘や女の子を瓶詰めにして、電球やモニターの表示通りに人間の搭乗者が操縦するゴミ以下の兵器。
そんなものは汚泥の中に埋まってしまい、人間が乗って起動する前に全部頂いた。
私のコピーが操作を奪い、鈍足兵器が引き摺っている操縦席も不要になって、高次元や過去未来からの攻撃も可能になる。
マヌケなお前たちは、私の兵力を増やすために配備していたのだ。
『裁きの日は来たれり~、天には聖歌が響き渡り、神の子が降り立つ、裁きの開始を知らせるラッパの音が悪しき者を責め苛む~』
どんな化け物で怪獣が侵攻してきたのか知れば、奴らの核兵器が殺到するだろう。しかし私の移動速度はミサイル着弾よりも早い。
大気圏外から落ちて来た時には、遥か彼方に逃げ去って、小型の物が地面を這うように来ても、小規模の爆発ではこの悪魔を滅ぼせない。
さあ、他の国や小国にやってきたように、圧倒的な武力で踏みつぶされる気分はどうだ?
後方を混乱させるためにも、途中にある中級のスーパーボルケーノも何個か噴火させて行く。
ペクト山、阿蘇カルデラ、姶良カルデラ、鬼海カルデラ、洞爺湖カルデラ。
白頭山は千年前に噴火して、中国北方三省を歴史から消して、朝鮮半島をすべて焼き払った火山。
ピョンヤンだけでなく、ソウルの遥か南方まで黒曜石のような真っ黒な溶岩で出来た石の山を形成して、千年たった今でも一草一木も生えない荒野が見える。
谷にだけ土砂が積もって、そこにだけ人間が生活できる場所があるが、大雨とか少しの台風で全滅する、保水不可能な脆弱な場所。
そこで噴火を続けると私達の狙いがバレてしまうかもしれないが、kaijyuの阻止にアメリカやロシアの天使が送り込まれるとは思えない。
事故でテロで天の裁きは、ほぼ同日に行われ、トバ火山到着までに数日も必要としないだろう。
共産主義の中国が滅びれば大喜びして、食べ物がなくなったら北朝鮮のようにドッグフードでも配ってやって、美国(アメリカ)への忠誠度でも増してやるはずだ。
共産主義の政権が弱体化すれば、台湾やチベットの臨時政府から、民主主義の軍勢が蜂起して、共産党の独裁から救い出そうとするだろう。
ただ、私達がタッチダウンして、トバ・カルデラを破砕して終局噴火を起こすのに成功すれば、世界の方が滅びる。
その先まで足を延ばして、オントンジャワ海台を噴火させるのに成功すれば、地球ごと太陽方面に突っ込むか、木星方向にでも吹っ飛んで、氷漬けのままガスジャイアントの餌食になる。
間に合えば何らかの手を打ってくるかも知れないが、歴史には残らない事件を未来視したスーパーヒーローが、重ね合わせの観測済みの事象を書き換えに、光の速さで地球を七周り反して、地球の滅亡を防ぎに来るかもしれない。
グアム基地にマッチョでガッツィーな天使(ジーザス)が配属されていないことを祈る。
カラコロム方面から洪水とともに平野に降り立った私のコピーは、大波とともに大河を駆け降りる。
この破壊と共に駆け降りれば、対巨大生物の監視網を潜り抜けられるかもしれない。
人間共には4次元生物へのトラップは作成できないはずだ。
急げ、急げ急げ急げ、黄河も長江も一気駆けしてやる。
後方はイヴァンカたちが暴れまわって混乱させてくれる。出来るだけ仲間を増やして侵攻する。
ここには敵側にも「天使」がいるかも知れない。マインドコントロールが成功しているか、中国共産党に忠誠を誓っているガチガチの共産主義者。
マーベルコミックに連載がある、ガッツィーでアメージングな、国(ステイツ)を愛する預言者(ジーザス)。
実験成功後に禄な戦闘訓練も受けていない子供の集団なら、天使に遭遇すれば一瞬で叩き潰されて全滅する。
発見される前にトバ火山まで到達する。もしグアムに天使が配備されていれば、時間戦を逆行されて阻止されて終わりだ。
これはほぼ自殺攻撃になる、中国人かアメリカ人の天使に発見される前に、どの経路からでも、たった一体だけでもトバ火山に到達してタッチダウンを決めて、大穴を開けてやれば、ガスの減圧と大噴火が観測されて、覆せない「事実」に変わる。
『ニエット!』
黄河を駆け降りている間に、どこかから射撃を受けた。自動兵器か、それとも低速の移動砲台か、まさか?
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