7. 着替え
「あの~、師匠! 師匠は、ガーネットを見た事が有りますか?」
まずは、何とか
「そんな不吉な石など、そもそも目にする価値は無かろう! 大体、22世紀には、ガーネットなどという石は、公の目に触れる所になど存在していないのだからな!」
「え~! 師匠はガーネット見た事無いんですか~! もったいないですよ~、師匠の瞳の色によく似た、すごく美しい石なんですよ~! せっかく普通に流通している21世紀に来たんですから、是非、師匠にその美しさを生で確かめてもらいたいと思うんです!」
大袈裟なほど、ガーネットの美しさを強調した
元々、好奇心旺盛な
「うむ……確かに、そうではあるな。せっかく目にする機会が有るのならば、
すっかりその気にさせられている
しめしめと思いながら、
「おやっ?
「まさかまさかそんな事、滅相も無いです、師匠!」
「そうか? ならばよいが……調子悪いのだろうか? このセンサーが今、反応していたのだが」
「師匠、何ですか? その見慣れない物体は?」
「これは、周囲にいる人物達の危険な感情動きを瞬時に感知する危険探査機だ。さっき、一瞬、赤く点滅していたように見えていたが……気のせいだったか?」
22世紀の人々は、
その安心も、未知の探知器の存在を知るまでの間までしか続かなかった。
どれくらいの感情が基準となっているのか見当も付かなかった
となると、
そして、それ以前に、もっと大事な事が有った。
「師匠、ちょっと待ってて下さい!」
ウォークインクローゼットを開け、ハンガーに沢山つるされている衣服の中から、無難そうなワンピースを1着抜き取って戻った。
「なんだ、その衣類のような布は? 妙にヒラヒラしてるが……」
「妹のワンピースを拝借しました! 師匠、是非、これを来て下さい!」
「なんと! この私に、そのような古風な布をまとわせようとするとは!」
「だって、師匠の着ている、その身体のライン丸出しのウェットスーツみたいな姿で外に出たらかなり怪しまれます! 僕達、通報されるかも知れないです!」
「何だと! そんな事になったら、即座にタイムパトロール隊に見付かって、監獄行きになってしまうではないか! ならぱ仕方あるまい。不本意ではあるが、それを着るとするか」
「
「それはですね……そのウェットスーツがとても脱ぎにくそうなので、僕の手伝いが必要かと思いました」
「なるほど! てっきり、我が先祖は、私が着替える様子を見たいだけの変質者なのかと思ったではないか! そんな事なら心配ご無用だ! 私は、この手の物を脱ぎ着慣れているのだからな!」
自分では気を利かしたつもりだった
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