二十六話 徹VS未亜
「準決勝、準備は?」
「大丈夫です」
「問題ありません」
「それでは、始め!」
あの人は、梅立河さんか…。試合は見てたからなんとなく動きはわかる。あと、奇襲ができないってのもわかってる。あきらかに捉えられないようなところからの攻撃を彼女は凌いでいた。それだけで彼女の技量や強さがうかがえる。
…てか勝てないのでは?あの人は刀を持って戦うのはいいけど、その技術が普通に凄い。てかバケモノでは?
「危ない…!」
地面が硬いから簡単に書いたらモノじゃ操れない!?しっかり準備しないとか…。間に合うかな。
「何をしてるんですか。やらせませんよ」
「少しは見逃して欲しいぐらいだ!」
「…無理です。勝ちたいので!」
離れた隙にこっそり書いてたはずなんだけどな。やっぱり無理か…。相手は何の型だ?でも、妖里さんから聞いたことを全部合わせると、やっぱり感知型…。
じゃあ地雷を張ってたけど、全部バレてるよな…。折角の新技だったのにな。まぁ、動きづらくはしてるしいいだろう。
「邪魔ですね…これは…」
「よし…来てみろ!」
逃げ回る。その隙に少しずつ印を完成に近づけていく。パッと見はわからないように、バラバラに見えるように、偽装に偽装を重ねてわからないようにする。
後はここらを繋げれば…
「模龍!」
作り出せた。後は少しずつ逃げ道を無くしていけば!
「ふん!」
模龍を彼女に向けた途端、斬られてしまったようだ。確かにあの金属よりもこの舞台の方が脆いだろうとは思っていたけど、あれはそういう次元を超えているんじゃないか?
「…!?動かなくなった…」
運の悪い事に印も壊れてしまったようだ。妖里さんと練習した時はこんな事なかったのに…。
でも、まだまだ終わってない…!俺は無事だし、不幸中の幸いだったのは、彼女の持っている刀が目に見えるぐらい欠けていることだろう。それにしても、さっきのは技ではなく、ただ力技で壊したのだろうか…。
「まだですよ…!」
でも、時間は稼ぐことができた。刻印型の本来の使い方は強化。それを行える時間さえあれば、無類の強さを誇る。
「これで…」
彼女は刀を振るう。恐ろしい速度だ。でも、それでも頑張って見逃さないようにする。
後は掻い潜って!
「…参りました」
なんとか勝てた…!
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