二十四話 日里士VS柚香
「行ってこーい。そのまま負けちまえ」
珍しく徹君が日里士君にネガティブなことを言ってる。あんまり良くないんだろうけど、応援されてるって考えると、嬉しくなっちゃう。
「絶対に勝つ」
「御手柔らかにお願いね」
色々な人がいたが、準決勝まで三人とも残れた。徹君とは別だけど、まずは日里士君を頑張って倒さないと。
「準決勝、準備は!?」
「大丈夫です」
「はいはい。いつでもどうぞ」
「それでは、始め!」
日里士君が私から離れる。でも、こんなこともあろうかと用意していた技がある。
私はゆっくりと力を剣に溜めて日里士君に向かって振る。そこから斬撃が飛び出す。
「ちょっと待て…よ!はぁ…危なかった。なんて技を飛ばしてきてんだよ…」
日里士君はなんとかずらせたよう。だがもっていた剣がボロボロとなっていた。
「…あとはどうする?」
「まだまだ行けるに決まってるだろ!」
ずっと一緒にいる幼馴染だからよくわかる。日里士君は負けず嫌い。徹君の方はそんなことないけど、日里士君と一緒になると悪ノリでたまにああなっていたりもしていたかな。
「危ない!」
髪を薄っすらと焦がしてしまう。今のは本当に危なかった。ゲームとかでも、そうだけど日里士君は気付かないようなところから罠を入れたりしてくる。それが、怖くて対戦系は一緒にやらなくなったけど…。
「悪りぃ」
「後で手伝ってね。じゃなかったら許さないよ」
「あ…はい。わかりました」
少し、危ないことしても大丈夫だよね。日里士君もこんなことしたし。…良いよね。
「逸れじゃあ、日里士君。いくね?」
「ちょっ!」
「三之型…動波、高!」
波動型の本領は大規模な範囲攻撃って妖里さんから聞いた。それに習って私も何も考えずに剣が円を描くように、私自身も回りながら振るう。
それにならって剣から波動が出て、円形状に飛んでいき日里士君に襲いかかる。
「待てよ…!無理だろ…」
日里士君は場外に飛んでいった。
「日里士、場外!よって柚香の勝利!」
勝てて良かった…。あれをやるのも一苦労だったから。あそこで決められてなかったら恐ろしい…。日里士君は本当に何をするかわからないから、本当にやめて欲しい。
「大丈夫か?日里士」
あのあとすぐに日里士君がとんだ方に向かったら、徹君が既にいた。
「あ…?徹か…、頭いてぇ…」
「大丈夫…?日里士君…?」
「あぁ、大丈夫だ。だから救助隊の人たちを…」
その後は救助隊の方々が来て、日里士君を連れ去っていったのであった。
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