十三話 豪雪の日
今日は学校のある日。スマホを見たら妖里さんから一件メールが来ており、二人に伝えて欲しい事があるそうだ。しかし今はそれどころではなかった。
「やべ、時間が…少し遅れて学校行こうかな〜今日は待ち合わせしてないから別々に学校行くし、丁度良いな」
いつもなら余裕で間に合う時間帯だが、今日の天気は運が悪く雪が降っている。久々に見たテレビでは寒の戻りなど言っており、普段は降らないような月でも降ってしまっていた。
何なら自分の手が簡単に埋まるぐらい深くて、正直びびった。これ、異常気象なんじゃ…
「それにしても雪か、雨だったら自転車がまだ使えて良かったのにな。雪だとかなり滑るし…」
俺は、家を出て徒歩で歩いて行った。ふとスマホ鳴ったので見ると、『先生に聞いたが、今日は遅れてもいいらしいぞ』と徹からメールが来ていたので、了解と返信をしてから、ゆっくりと学校へと向かっていった。
――――――――――
バスに乗れたので、学校の近くまで行こうと思ったが、道路もかなりの渋滞だったので、結局は途中で降りて徒歩で学校へと向かった。
学校に着いて、たまたま居合わせた柚香に徹の場所を聞いたら、教室のらしい。さらに、一限目は予想外の大雪のため、丸々カットらしく、二限目から授業が始まるらしい。
柚香はもう来ていたようで、既に次の授業の準備を終えていたようだった。今は玄関にいる先生にわからないところを教えてもらっているようだ。
正直柚香がわからない問題ってどれ程難しいんだ?想像もつかないな…
俺は柚香と話した後、すぐ2組に向かって行った。
徹は珍しくクラス内で寝ていたのですぐに分かった。
「徹!」
「ん…誰だ?」
「日里士だ」
「そうか…」
そう言って、また寝ようとしていた。
だから、デコピンしてみた。
「うぐ…」
「あ!…ヤベ」
弱めにと思ったら、強すぎた。徹が起きた頃には教室を出ており、安心して自分のクラスに戻ろうとした。
そしたら後ろから手が伸びてきて、首がとれるんじゃないかと思うほどの衝撃を受けた。
一つだけ皆に言おう。
悪いことはしない方がいい。気を付けよう。
――――――――――
「痛てぇ…」
「流石に日里士君が悪いよ」
「何も言えねぇ」
「流石に日里士は反省しろ。こっちの身体が持たないからやめてくれ」
徹は反省を促している。でも、やってしまうのが、俺の性なんだ。悪いな徹。
「いや、アレは事故であり、わざとじゃないからな」
「はぁ、お前は反省すらしてないだろ?」
「なんのことかワカラナイな?」
「それで?なんのようなんだ。どうせ、ろくでもない事だろう?」
「真面目な案件だ!」
「真面目ってなんだ?」
珍しく徹は不思議そうな顔をして、こっちをみる。
「二人はとりあえずコレ見ろ」
「妖里さん?日里士君はいつの間に連絡先をとっていたの?」
「始めて
『放課後に僕の家で、大事な話があるから来てね?妖里より。 追記、二人にも伝えてといて』
「大事な話?妖里さんがなんで?」
「知らね?取り敢えず行けばわかるだろ」
「それもそうか。じゃあ放課後すぐに着替えて妖里さんの家だな?」
「そうだな。ただ、俺は行けないかも。先生に呼び出し喰らってて」
「寝過ぎか?」
「…そう。説教が凄い長くてな」
「やっぱり日里士君はもっと睡眠時間を取ろうよ?」
「え〜だって読みたい本とか、勉強しておきたいこととかいっぱいあって」
「それでも、なおさないとだめだよ?」
「はいよ」
俺はできないな、と考えながらも、対策を考えるが、やはり思いつかない。
悩ましいところだが、今は考えるのはやめておこう。
そういえば、そろそろ時間か。
「取敢えず、俺はクラスに戻るぞ。そろそろ時間だし」
「もうそんな時間か。少し早くないか?」
「お前は寝てただろ。その所為だ」
「約一時間程をどう過ごせと。暇だったんだ」
「そうか。それじゃ、俺は戻ってクラスで寝ないよう気をつけてるよ」
「日里士君、寝ちゃだめだよ!」
「わかってるよ」
そう言って俺は、クラスへと戻って行った。
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