【Ex-夏028】SPP-703-JP【ホラー要素あり】
【アイテム番号: SPP-703-JP】
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SPP-703-JPの指定区域一帯を高さ2メートルの鉄柵で囲み、外部からの侵入を阻止してください。ただし区域内の管理のため、正面の門付近(幅5メートル)のみ鉄柵で囲まず、監視カメラを用いて敷地内の監視を行うものとします。敷地内への侵入を認めた場合、ただちに財団の警備職員を現地へ派遣し、侵入者の保護に努めてください。加えてSPP-703-JPの位置する■■村一帯に記憶処理剤を散布し、住民に対してクラスAの記憶処理を施すほか、住民のうち一名を一年に一度、無作為に抽出し、財団所属の臨時Eクラス職員としてSPP-703-JPの管理に当たらせるものとします(当該職員は一年間の任期後、クラスCの記憶処理を施され、ふたたび元の住民に戻ります)。
【説明】
SPP-703-JPは■■県■■■郡■■村■■字■の■■山中、旧国道●●号線の■峠付近に位置する、木造二階建ての邸宅です。別荘としての利用を目的として建設された築四十年の物件ですが、図面が散逸しており、また後述の理由から内部の調査も進んでいないため、間取り等は判明していません。
SPP-703-JPは特定の期間のみ玄関扉が開きますが、それ以外の期間は内部に立ち入れず、外壁や窓を破壊して侵入することもできません。内部へ立ち入れるのは夏季(具体的な時期は年によって変動し、周期不明)に限定され、その間には二階南側のベランダに白い衣類(詳細不明)が出現します。
SPP-703-JPには数か所の窓があり、日中には支障なく陽光が差し込みますが、その内部は光の届かない特殊な空間となっている模様です。玄関を開いて中へ入ると幅1メートル強の廊下が正面へ続いており、その長さはSPP-703-JPの外見から予想される奥行よりも明らかに長いです。内部には常に靄のようなものがかかっており、懐中電灯で照らしても最大3メートル前後の範囲しか照らすことができません。
SPP-703-JP内部への侵入後、約1・5メートルほど内部へ侵入した場合、未知の人型実体(SPP-703-JP-Aと指定)が内部に発生し、侵入者を襲撃します。SPP-703-JP-Aの具体的な容姿、移動方法、連れ去られた侵入者の行方など、詳しいことは依然として不明です。SPP-703-JP-Aに拉致された被害者は財団の把握している限りでも●●名にのぼり、その全員が現在も行方不明であることから、死亡または何らかの異空間へ転移しているものと推測されます。
SPP-703-JPは旧国道●●号線の■峠を通行する利用者の間で、著名な心霊スポットとして約三十年前より認知されてきました。当初は玄関の扉が開かず、内部への侵入に成功した者はいなかったようですが、ある時期から扉が開くようになり、肝試しで侵入した者の失踪が相次いでいます。これらの被害状況を地元警察の情報提供で財団が認識、調査の結果として同様の異常性発生が確かめられたことにより、収容に至っています。
【補遺1】
SPP-703-JPは立地する■■村■字の住民の間で「
なお、前述の記憶処理の結果、近隣住民はSPP-703-JPを「夏季のみ別荘の持ち主が居住し、白い上物の衣類を干している」ものと認識しています。一般的なムラ社会の傾向と同様、多くの住民はこの架空の別荘利用者を部外者として嫌悪していますが、これは財団による記憶処理の結果ではなく、自然に生じた一種の住民感情の発露とみられます。
【補遺2】
20●●年3月、国道●●号線の■■バイパスが開通し、■峠付近をトンネルで通過するルートへ変更されました。これに伴い旧道の■峠ルートは廃道となり、将来的には入口も閉鎖される模様です。SPP-703-JPは現在も財団の完全管理下にあり、今後は偶発的なSPP-703-JPへの侵入による失踪も漸減するものと期待されます。
!【緊急追加編集1】!
20●●年●月現在、SPP-703-JPに新たな異常性が確認されています。詳細は調査中のため、特別保護プロトコルへの反映は今後の議論を待つものとします。
SPP-703-JPの二階南側に位置するベランダに、何らかの人型実体(暫定的にSPP-703-JP-Bと指定)が確認されています。容姿・言動のいずれも十歳前後の少女のものと考えられますが、その正体については依然不明です。
!【緊急追加編集2】!
20●●年●月●日、満十歳の少年■■■■が、SPP-703-JP-Bと接触し、失踪したことが確認されました。この少年は■■村在住の■■■の孫であることが確認されています。■■■は●●年度のSPP-703-JP管理担当として財団の臨時Eクラス職員に指定されており、現在、財団職員が急行して事実確認に当たっています。
現在も調査は継続中ですが、SPP-703-JP-Bは被害者の少年と親交を持ち、何らかの形で少年を家の中へ誘い込んだものと推測されます。このことから、SPP-703-JPは従来のように侵入者の来訪を受動的に待つのではなく、積極的な手段で被害者をおびき寄せるように異常性が変化したと考えられます。
現在、
SPP-703-JP-Bの行動範囲次第では今後の被害拡大も予想されるため、
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