第4話 召喚したモンスターで色々してみる



「よし。まずはこのゲームを進めてみるか。」



本当は柴田に自慢する為にヒューマンゴブリンガール………アンジュの画像を送りたいが、そんなことしたら今から家に来そうだ。

それに召喚したモンスターがすぐに名付け出来たなんて知ったらアイツのことだ。大騒ぎする。

もう夜なのに家で大騒ぎされても困るから連絡は明日の朝で良いな。


そしてこれからゲームを進める訳だが、クリエイトモンスターズは登録した地域、俺の場合は日本時間でゲームの中の時間は流れてくリアルタイムのオープンワールドだ。


序盤はあまり関係ないかも知れないが時間帯によってはモンスターが活動してくれない場合もある。

種族の関係でだったりモンスターの寝ている時間だったりとゲームのくせにリアルな部分が多いのだ。


それにモンスターは【エサ】を食べさせないと餓死する場合もある。


ドラゴンとかだと1日に食べる量も多いのでそれだけで金銭的に大変になったりすることもあるのだ。なぜ金銭的にかというと、ジェリーで買えるものの中にはモンスターのエサもあるからだ。

ドラゴンに限らずモンスターの中には食べられる物が決まってる場合があり探索して手に入れるエサの量が少ないと餓死しない為に食料を買わなくてはならなくなることがあるのだ。

その為に課金をしてお金を稼ぐ筈が赤字になる人も中にはいる。



強いモンスターや親密度の高いモンスターだと自動でエサを取ってくることもあるし、【命令】しといてゲームをしていない時にエサや素材を調達させとく事も出来るので放置ゲームの要素も取り入れてたりもするから楽しさはより1層深みがある。


ただし放置しすぎていると親密度が下がる場合も多く、エサや素材を取りに行ってる時に他のモンスターにヤられて【ロスト】してしまう場合もあるから危険だ。



モンスターはロストするとデータが消えてしまうから大変だ。

せっかく手に入れた強いモンスターも苦手な場所に行って簡単にロストした動画配信者もいたがあれは可哀想だった。


10万円で買った精霊系のモンスターが炎の精霊で湖に落ちてしまいそのままロスト。


1度も戦闘せず、素材も手に入れられずただただ10万円を溶かした可哀想な人だった。



様々な理由で赤字になる人もいるので気を付けなくてはならない。





「俺もそんな間抜けなことでアンジュをロストさせないように気を付けよう。」



俺も少し出費は痛いがエサが取れなかった時用に1万円を課金して10000ジェリーを追加している。

このゲームは初期段階でジェリーがゼロからのスタートなので堅実に進めてくなら課金して余裕を持つしかない。


どんなモンスターが召喚されても直ぐにロストするのは嫌なので初期投資はしようと決めていた。


これで仮にアンジュのエサが見つからなくても困らないだろう。



よし、まずは序盤の地域でモンスターとの戦闘をしてみるか。



「………ん?どうした?」




さっそく戦闘出来るようにトップ画面からオープンワールドへと進めようと思ったがアンジュからのテロップが表示される。



【今日の分の卵がアイテム欄にあるから使ってから行こう!!】




「そういえばアンジュのスキルで【繁殖卵】があったな。」



1日に1回無料でモンスターを手に入れられるスキルが




【私だけだと大変だから仲間を召喚して!】





「そうだな、、仲間がいた方が安心だしな。」




トップ画面からアイテム欄を選んでタップすると俺の所持品の中には【ヒューマンゴブリンガールの卵】が1つあった。




その卵の欄をタップすると



【モンスターを産むことが出来ますが使用しますか? はい いいえ】



の表示が出たので迷わずに【はい】を選びモンスターを産み出す。




すると画面が卵の動いている画面になり少しずつヒビが入っていった。


ヒビが割れると中からは光がもれだし新しい俺のモンスターが誕生した。



「おお………これは【ゴブリンボクサー】だよな??」




誕生したモンスターはアンジュとは違い普通に想像するときのゴブリンだ。

緑色の体に鼻はワシ鼻で耳が長く小さなキバが生えている。

猫背になっていると言うこととニヤニヤ笑っている顔がチンピラみたいに見えるが形容すべき所はゴブリンの拳の大きさだ。

拳の大きさ以外はゴブリンだが拳がボクシングのグローブを付けてるようにデカイ。指も二本しかなくてグローブのような手をしている。




「………やっぱりゴブリンボクサーだったな。」




次の画面になると生まれたモンスターのステータスが確認できた。





【ゴブリンボクサー】ランクC


<種族>

ゴブリン


●属性●



●スキル●

・鉄の拳


ハイゴブリンから進化するモンスター。殴ると言うことに特化したゴブリン。ハイゴブリンから進化した筈だが知能はゴブリン程度しかない脳筋モンスター。



・鉄の拳

拳が鉄のように固くなる。







「まぁまぁ当たりだよな?」



低ランクのゴブリンは育てやすくゴブリンボクサーは大抵が戦うことが好きな筈だ。

このモンスターが最初に召喚されたとしても当たりだな、と思う程度には良いモンスターだ。






【これで安心して戦えるね!!】



アンジュのメッセージが表示された。


「そうだな。それじゃ戦いにいくか。【初心者の草原】に。」





楽しみだ。


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