第33話 イブとの野獣の日03。

王都に着いて待ち合わせ場所を第三騎士団の訓練場にする。

クラシは丁寧にアプラクサス達に挨拶をしたからだろう。モバテとシックまで連れてアプラクサスは訓練場に来ていて「こんにちはロゼくん。今日はイブさんとロゼくんの日なんですね?」と言われる。


「うん!こんにちはモバテおじさん、アプラクサスおじさん、シックおじさん!」

ロゼが元気よく挨拶をする所にクラシだけが来ていてミチトに「こんにちは、お疲れ様です」と挨拶をする。


「お疲れ様。シンジュは?」

「夜ご飯の用意をするって、背中にフォルを背負って小麦粉を混ぜてます」


「あー…じゃあ夜ご飯はソリードさんはそっちだね」

「ミチトさん?」


「ロゼがソリードさんを誘ったんだ。まあ仕方ないかな。でも良かった。一度クラシ君に会いたかったんだよ」

「ミチトさん?」


ミチトは簡単にジェード達が独自解釈のサンダーデストラクションなんかを撃てたことなんかを説明しながらイメージさえあれば術は術使いと手を繋げば撃てる話を伝える。


「それは厄介ですね」

「だよね?」


そんな話の中でも「俺の訓練!アプラクサスおじさんは見てくれますか?」とロゼが聞いて「はい。ご活躍を楽しみにしておりますよ」とアプラクサスが返して、シックが「ふふ、思わず見惚れてしまうものを期待していいかな?」と言う。


「パパ!やろうよ!」

「あー、じゃあその前に少しやるか、ロゼ、訓練場の真ん中に俺が立つ。そうしたらサンダーデストラクションを撃ってご覧」


この言葉にロゼが「え?」と聞き返す中、アプラクサスも「ミチト君?ロゼくんは撃てないと…」と聞き返し、モバテがロゼを見ながら「まさか…撃てるのか?」と言い、シックが「確かに今日は他のごきょうだいも居ないから撃てるとしても問題無いのかい?」と言った。


ミチトは皆の問いには答えずにもう一度「ロゼ、全力の練習だよ」と言う。


「パパ、怪我しない?」

「さあ、試すと…いいさ」


この言葉を言いながらミチトが訓練場の真ん中に立つとロゼは「言ったな!サンダーデストラクション!」と言って強大な雷をコレでもかと訓練場に降らせる。


「やるな…アースランス」

ミチトはアースランスでサンダーデストラクションを相殺するがジェード以上のサンダーデストラクションにアースランスは次々に焼け落ちてしまう。


肩で息をするロゼに「普段から本気を出す訓練をしなかったから身体が悲鳴を上げているな…。ロゼ、そのままインフェルノフレイムを見せてみるんだ」と言う。


ロゼは言われるままにインフェルノフレイムと氷結結界を放つと倒れ込む。


「本当は限界値の更新をさせてやりたいけど起こすか」

この言葉に今度は同じ真式になったクラシ・ヤミアールが「ミチトさん!限界値って…」と確認するように聞く。


「そうだよクラシ君。黙ってあげてね、ロゼは7年も隠してきたんだ」

ミチトがロゼに術を流すとすぐに目覚めて「本気の訓練ってどうすればいい?」と聞く。


「大丈夫。教えてあげるからね」

「ありがとう」


「さあ、次だよ。剣を持って」

「うん」


ロゼは剣を持つとミチトがジェードの滑走十連斬を教えて、最後はタシアに教えた無限斬を教える。


「タシア君でもヘトヘトにならないと撃てなかったのに…」

そう驚くアプラクサスに「まあ理想形…完成形はタシアと俺の無限斬です。ロゼのは上手いだけでそこから自分の形を見つけられないと使い道がありません」と説明をした。


ロゼはその後で防具無し、手甲無しで第三騎士団員達を倒していく。

「ソリード婆ちゃん!音が良くならないよ!」

「あらあら、余計な力を抜いてまっすぐですよ」


それでも音が良くならないと嘆くロゼは団員達が女性になると「パパ!殴る覚悟出ない!剣と術にする!」と言い出す。


「それが良いよ。覚悟がないと怪我させるしね」

ロゼは訓練用の剣をファイヤーインパクトで溶かし折って参ったを言わせていた。


訓練が終わると連日ボコボコにされているシヅが「マスター、シヤっていつ帰ってくるの?」と言い、シイとヨミが「ずるくない?」「休み羨ましい…イイヒートさんも休みズルい」と続ける。


それを聞いたイブが怖い笑顔で「ふふふふふ、トウテの方が地獄ですよー」と言ってシヤとイイヒートの姿を見せる。


2人ともミチト不在のトウテを守りながら朝は孤児院の手伝い。術人間達のトレーニングの相手、アクィやラミィ達の模擬戦の相手、昼は少しだけ時間があるがシヤはヤァホィの道具屋の勉強にイイヒートはアメジストの無茶振りに付き合う。そしてスード達の訓練に付き合って夜ご飯の後はセルースの酒飲み散歩(巡回)に付き合って帰宅は深夜になる。

そして早朝はまた孤児院の手伝いになる。


「シヤ…俺たちいつまでトウテに居るんだ?」

「楽しいし、ヨンゴとシーナも野山を駆け回って楽しそうだが騎士団のリズムと違うからキツい」


「きっとシヅ達は楽してるとか休んでるとか言ってるな」

「ああ、なら3時間みっちりアクィさんやライブさんと戦ってジェードの攻撃に耐えてみろと言うんだ」


この言葉を聞かせた後で「シヅ君達もトウテに行きますか?」とイブが聞くと千切れるくらい横に首を振って「王都がいいです!」「シヤとイイヒートとナハトの不在はお任せください!」「王都大好き!」と3人が盛り上がる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る