琥珀商店街と桜風文庫
苦笑いで曜ちゃんを見た。
対照的に彼女は瞳を細めて口元を緩ませている。
「パフェ食べに行かない?」
一瞬、言葉を呑み込んだ。
曜ちゃんが言っているのは近頃、駅前にできたパフェのお店のことだ。
連日、女子高生や大学生で賑わっているらしくネットでの口コミ評価も高いらしい。
先月のタウン誌の“お洒落なカフェ10選!”コーナーにも載っていた。
曜ちゃんが行きたいのもわかるんたけど、今日は……
「ごめんなさい!…水曜日なので行けないです」
頭を下げてお断りをした。
曜ちゃんは私の返事を聞いて、理由に気づいたらしく、手を横に降る。
「用事がある日だっけ」
「ほんとにごめんなさい」
「いいよ。そんなに謝らなくて。悪いことしてないんだからさ」
「今度、必ず埋め合わせします」
荷物を詰め込んだリュックサックを背負う。
忙しく机上に広がった教科書とノートは中に押し込んだ。
君に恋する、その瞬間 果乃子 @ka_no0510
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