第2話 少しの芽
学校での生活はあまり馴染めるものではなかった。都会から来た私を妬んで仲間外れにしようとする人達がいるのだという。しかし学校に行かないと親に叱られてしまうし、何よりあの男の子に会えない。現実は酷いものだと思いながら帰り道をとぼとぼ歩いていた。
ふと帰り道の途中にある長い階段が目に止まった。横の看板には
「そういやクラスに九重っていう子が居たような、、、」
そうだ、九重さんはあの気になっていた男の子だ。お参りついでにあの子に会えるかもしれないと思うと、自然と足が階段の方に進んで行った。
階段を登りきると、そこには大きな神社が待ち構えていた。見た感じ人気はなさそうに思えた。しかし、
『シャン』
という鈴の音と、同時に男の子の声が聞こえた。気のせいかと思ったが、その音は徐々に近づいてきた。
『なあなあひびや!参拝客がくるぞ!』
とはしゃぎながらふわふわと飛んでいくリンネを追いかける。
「ちょっと待ってリンネ!」
僕は飛んでいくリンネを追いかけるのに夢中になってしまって、人がいることに気が付かなかった。そこには、あの甘い香りがしそうな名前の甘宮りんごが立っていた。
しかし、甘宮さんは驚く様子もなくリンネを抱き抱えていた。その光景に唖然としている間に、甘宮さんとリンネは楽しそうに話している。
『ひびや!この子俺たちのこと見えるんだって!』
「あ、、、うん。そうっぽいね。」
なんでリンネのことが見えるんだろう。どうして会話できるのだろう。様々な疑問が浮かんだ末、1つの答えにたどり着いた。
「僕がモノノケのことを話せると思ったから、、、?」
「モノノケってこの子のこと、、、?」
つい口に出てしまっていたらしい。甘宮さんの大きな瞳がこちらに向いている。
「あ、そうだよ。えっと、その、、、モノノケのこと、怖いって思わないの?」
「全然怖くないよ。最初は少し驚いたけど、悪い子ではないんだなって直感的にそう思えたから。」
『お!お嬢ちゃん俺らのこと怖くないのか〜。なら他の奴らも呼んでみようぜ、ひびや。』
リンネが勢いよく『シャン』っと音を立てると、どこからともなく2体のモノノケが現れた。
<あとがき>
初めまして、ひくらみと申します。
こうやってちゃんと人に小説を見てもらうのは初めてなので少し緊張しています。まだまだ語彙力が足りませんが、読む人の気持ちを暖かくできるような物語を書けるように頑張ります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ひくらみ
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