好きな人と一緒の帰り道なのに、大嫌いな道。それでも、距離が違っていても、途中までは同じ道を歩ける喜び。どうしたらいいんでしょう? 読み手の想像のスイッチを入れ、文章と文章でないものとで、主人公の複雑で繊細な気持ちを描き出す、良作です。
非常に短い作品で、もっと登場人物の内面を見たかった気もしますが、そんな「物足りなさ」こそがこの作品の特徴だと思いました。道と同じく、文章量がもっとあれば、また違った感想を持つことでしょう。私は今のこの感じが好きです。