第7話 個人戦 1回戦
「おーい!ミク大丈夫か?」とゴエ。
「緊張してるなぁ。なんからしくねぇ。」とアルター
「ちょっと、やめてあげなさい。」とリゲルさんが諭す。
ああ、なんでこうなった。
個人戦にエントリーしたまでは良かったのに、私が団体戦一位のグループにいたって分かったとたん、『予選は出なくて大丈夫です!本戦から出てください。』って受付の人に言われた。
俗に言うシード権ってやつになってしまった。
そういうわけで、予選に一回も出ることなく、今から始まる本戦に出る羽目になってしまった。
どんな人が出てくるんだろう。ちょっとは見たけど...はぁ、初戦敗退だけは免れたい。
「おう、大丈夫かよ?顔色なんかすごいことになってるぜ」とエプソン。
「うーん、大丈夫だと思うけど...初戦で負けたくなんかないよ~!」
「うんうん、その意気だね!頑張れ!」と横から聞いたことのある声が...
「って、ランスロットさん⁉どうしてここに?」
「ははは、驚くのも無理はないかな?こいつに言われて君の応援に来てほしいって言われてねwww」
「なんでいうんだよ!いわないって約束だったじゃんか!」とエプソンが怒っていた。結構かわいい。
「えっと、ありがとうございます。でも、がんばって勝ちます。」
「うん、でも君なら手をちょっと振っただけであんな奴はすぐ倒せちゃうんじゃないのかなぁ?まぁ、これは僕の予想だけど...。ともかく頑張って!応援してるから」とそういって手を挙げて気さくに帰っていった。やっぱりカッコイイ。
「みんなありがとう!頑張ってくる。」
「おう、頑張れよ!」
「うん、いつもどうりね。」
「お前ならあんなの簡単だろ?」
「…僕はミクを...うん、信じてるから、頑張って。」
『うん、分かった。』心の中でそう答え。会場へと進む。緊張でどうにかなってしまいそうな心臓を引き連れて。
初戦の相手はチンピラだった。剣よりは魔法が少し得意ってくらいのレベルだろうか。
『相手にならなそうだ。』と思った。
しかし、思った以上だった。
審判が合図したとたん、こっちに向かって走ってきた。
不意をつかれた。まさか走ってくるとは思わなかったからだ。
だが、逃れるのは簡単だ。両足に魔力を集中させて...
「
おお、みんな驚いてるなぁ~
元々この魔法は、前に団体戦で使った
みんな、そりゃあ驚くよなぁ。
とにかく、こいつをさっさと倒しちゃおうか。長い間戦いたくないしね。
「からの...
ドササササ............................................ドシン!!!!
あっ、あいつ転がった勢いで塀を壊しちゃった。しかも、塀にはまっちゃってて抜けられてないし。
「勝者、ミク!」『うぁお~!!!!!』観客うるさいよ........。
ちらっ、まだあいつ出られてないし。ちょっとやりすぎちゃったかなぁ... 出してあげようか?
「
風が相手を包み込み、試合場の中央まで運んできた。
本来は風圧で押しつぶす魔法なんだが、こういう使い方とかもあるのだよ。
こいつズタボロだな。仕方ない。
「ヒーリング」
目立ってた傷は消しことができたが、まだありそうだ。
「後でちゃんとした治癒魔法師に直してもらってね。じゃあね」
「おいおい!ミクすごいじゃんか!」「さすが!」「優勝まで行っちゃうかも?」
「ねぇ、ミク。なんであいつを助けた?」
「えっ?勝負決まってたし、もう終わったから、助けてもいいのかと思って........。もしかして駄目だった?」
「いや大丈夫だよ!」とゴエがフォロー
「ふぅん、ミクはお人よしだな。」と暗くエプソンが言って。どこかへ行ってしまった。
エプソン、どうしたんだろう?いつもと違ったけど...
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