第5話 最高魔術師決定戦 予選終了 エプソンの兄登場

 はぁ、まじか。この国の魔術師は大丈夫なのか…

 そんなことを思いながら予選場からずこずこと逃れ、本戦用の場所へと移動し始めていた。

 この国の魔術師は、ほんとに大丈夫なのだろうか。(二回目)


 三回戦(予選が終わる)まで、ほとんどやってたのは私だったよ⁉

 フォローはメンバーにまかせっきりだったんだけどね。

 でも、私みたいな、こんな初心者に簡単にやられちゃうとかどうなってるのよ?


 私がやったことっていえば審判が開始って言って相手が攻撃してきたらエプソンにシールドをかけてもらって無効化。

 相手が技をやめた時点で水流波ウォーターウェイブ炎の剣ファイヤーソード風の舞ウィンダズを一回戦ごとに使っただけなのに…。すぐに、負けを認めやがって。

 全部、初級魔法なのに・・・・


 水流波は手から、水流を広げて浴びせただけだったのに、炎の剣は補助の道具|(ライトセーバーみたいなの)から、炎のマナを拡散させて剣のように使うって魔法、最後の風の舞は簡単に言ったら竜巻を作る。以上。


 どれも簡単にできますよ⁉

 なのにどうしてよ!

 そんなことを思っていたら、エプソンが誰かに気づいたようで、私の腕を引っ張りながらその人の方へ進んでいきます。腕を放そうとしたけど握力強くて無理でした。


「兄ちゃん!」エプソンがそう叫ぶ。

 お兄さん?容姿からして全く違うけど…


 エプソンは金髪だけど、そのお兄さんとやらは私と同じく、黒髪であった。

 そういえばこの世界では黒髪は珍しくないらしい。異世界物では黒髪は珍しがられるのが常なのに、まぁ、いっか。

 ほんとに兄弟そろってかっこいいとか罪でしょ。

 しかも、王族に関する仕事をしてるんだから給料もいいし、モテるだろうなぁ。


 そんなことを考えている間にこの兄弟は会話を終えていたようであった。

 そして、私をグイっと前に押しやると、

「こいつがミク!奴隷野郎につかまりかけてた子なんだ。そして、1か月で魔法をほぼ完璧に覚えた、マジですごいやつ。」

 そう言うと彼の兄が顔を近づけて、まじまじと見つめた。

 顔近くないですか?そんなに近づかれるとやばいです…

 すごくオロオロしていたらしくエプソンが助けてくれた。


「ちょっと、兄ちゃん近づきすぎだよ!ミクが困ってるだろ⁉」

「ああ、これは失礼。僕はランスロットっていうんだ。一応こいつの兄だ。王宮の方で騎士として働いている。よろしく頼む。」そう言って手を伸ばしてきた。握手をしようということらしい。

「えっと、よろしくお願いします。」

 そう言って、握手。すると、ランスロットは仲間の人に呼ばれてしまい退出した。


「さて、もうそろそろで本戦だぜ!気合い入れていこうぜ、ミク!」

「うるさい。耳元で大声を出すな。この元気バカ。」

 近くでこんな会話をしているのは、エプソンの工房の従業員であり、今回の団体戦のメンバーである

 ゴエとアルターという双子の兄弟だ。

 明るく元気いっぱいの兄であるゴエと冷静で知識が多くある弟のアルター。

 この大会前に、この二人から猛烈な魔法特訓を受けたのだ。おかげで結構使えるようになったんだけど、毎回疲れるんだよね。

 腕はいいのに…なんでこうなのだ。


 今回、私たちが出てる団体戦は5人一組で戦うのだ。私たちのチームは私とエプソン、ゴエとアルター、そして、リゲルさん。リゲルさん以外はだいたい年が同じなのだ。(私とエプソンは同い年、ゴエとアルターは私たちの一個上)リゲルさんには少し申し訳ないが…


「そろそろ本戦が始まるわね。頑張りましょう!」とリゲルさん

「おっしゃー!優勝したるぞ!」とゴエが意気込み、

「いや、無理だよ。僕たちだと初戦敗退だって」とアルターが事実を述べる。

「ははは。優勝は無理でも、できるだけ上に行きたいよなぁ!ミク、頑張ろう!」とエプソン

「うん、そうだね。」そうつぶやき。

 目の前の建物をにらむ。ビル6階建てくらいの高さの塔があり。そこで本戦があるのだとか。

 がんばりましょうか。強い人来ないでほしい…


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