第3話 私って魔力多いんですか?

 ううん、ここはどこ?

 なんか豪邸のような気がするんだけど…

 ってここほんとにどこ?


「あっ、起きられましたか!良かったです。若様をお呼びしますのでそのままお待ちください」そう言って、執事のような人はそそくさと出て行ってしまった。


 えっと、若様って誰ですか?それと、ここはどこですかー?


 そんなことを悶々と考えていると、さっきの執事さんが、私を助けてくれた例のイケメンを連れてきた。彼は金髪で茶色の目である。背は170センチくらいだろうか?私よりも10センチほど高そうだ。そんなことはどうでもよくて・・・・。


「えっと、ほんとにいろいろとありがとうございました。助けてもらっただけじゃなくて、つれてきてもちゃって…」そう言うと、彼は笑った。

「いいよ、気にしないで!そういえば名前聞いてなかったね。名前、聞いてもいいかな?」

「えっと、桜木…いや、西野未来にしのみくといいます。えっと、名前聞いてもいいでしょうか?」

「僕の?僕はエプソンっていうんだ!よろしくね!」

「はい、おねがいします。えっと、ここってどこですか?」

「ここは僕の実家だよ。いつもは一人で住んでるんだけど、そこだと狭いからね。」


 なるほど…ってつまりは大金持ちの息子?そんな人に迷惑かけちゃった⁉

 これはまずい…。今すぐ退散だ。


「ありがとうございました。わたしはこれでー」

「ねぇ、君これから行く先あるの?ないんなら僕んとこの工房においでよ。人手足りないんだよね。良かったら」そう言われた。


 そして、そのあとのことはあまり覚えてない、なぜかって?

「えっと、私、ここにはまだ来たばっかりで、まったく分からないんですけど...」

「そうなの?それってこっちには好都合だよー!良かったら来て!」


 そう言われて断り切れず、働くことになって、1週間が経過。

 時間の経過早すぎないかい?まぁ、いいや。

 私はここに来て初めて魔法を使った。

 まぁ当たり前だよ。あっちでは使わないもん。そういったら工房の皆に驚かれたけど。

 エプソンは別に大金持ちとかじゃなかった。彼の兄が宮廷で働いてるため、給料がよく、この前建て替えしたばかりだったからだそうだ。そして、彼は兄のような立派な剣士になりたいのだそうだ。


 良いなぁー、夢があって、私にはないよ。そんなことを思っていると、今日の分のお仕事が終わっていた。そして、工房の管理人であるリゲルさんに診てもらう。

「さすがね、ミク!仕事が早いわ!あなたが入ってくれてほんとに助かってるわ。」

「ありがとうございます。」

「そういえば、こんなに魔力使って疲れないのかい?」と今日たまたま来ていたエプソンが言った。

「全然平気ですけど?」

「そうか、凄いな。君は持っている魔力の量が多いんだね」

「そうよ。この子は私よりも多くの魔力を持っているのよ。いいわねぇ」


 えっ?私、そんなに魔力多く持っているの?知らないよー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る