第3話 武器屋

 換金屋から走って30秒で武器屋に着いた。


 ……うん、この街って便利だね。


 ゲームでも一瞬で着くから近いなとは思っていたけど、現実でも近かったわ。


 俺は恐る恐ると武器屋に入る。


 中はゲームの時にはなかった武器などが壁や机に置いてあった。


 おお、これは男の夢が詰まった店だ!


 俺はあまりの武器の種類の多さに目を輝かせる。


 凄いぞ……序盤では手に入らない武器まであるじゃないか!


 だがこれらはまだ使わない。


 今回はこの武器屋にしかないものを買うために来たのだ。


 俺は店の隅っこのガラクタ入れに向かう。


 そこには沢山の剣が乱雑に置いてある。


 俺は【第六感】を頼りに探す。


 えっと…………あったあった。


 俺はその中でも1番錆だらけの剣を手に取る。


 因みにこの剣のゲームの時のステータスは……。


______________

錆びた宝剣

等級:F

攻撃力+5

装備条件:なし


・はるか昔の国の宝剣。今ではもう使えない。

______________


 と言う感じだ。


 そしてこの武器は、【ダンスク】内で1番弱い武器でもある。


 何故そんな武器を買うかと言うと……まぁそれは後ほどと言うことで。


 俺はその後防具と靴を買う。


 これはどこの武器屋にもある量産品である。


 ゲーム時のステータスはこれだ。


______________

革の防具

等級:F

防御力+5

装備条件:なし


・少し丈夫な革で出来た防具。あまり防具の役割を果たさない。

______________


______________

革の靴

等級:F

敏捷+5

装備条件:なし


・少し丈夫な革で出来た靴。履き心地は普通。

______________


 この2つも最弱防具の1つだ。


 勿論これを買うのにも意味がある。


 俺はこの3つを持って大きく息を吸い込み。


「すいませーん! これ買いたいんですけど!」


 俺は大きな声で工房にいるであろう店長を呼ぶ。


 すると店の奥の方から色々な物が落ちる音がする。


 あはははは……これはゲームと一緒なんだな……。


 ゲームでも最初に訪れた時は、大量のものが落ちる音がするのだ。


 一体店の奥はどんなことになっているんだろうな……。


 俺は店長を待ちながら置いてある武器を見る。


 へぇ……良いのが揃ってるなぁ……。


 どうやらこの店には等級がBの物まであるようだ。


 等級とは武器のランクで、F~S+まである。


 だからBランクまで取り揃えている店は殆どない。


 俺が武器に気を取られているうちに店長がやってきた。


「なんだぁ……って、ソラじゃないか! どうした? とうとう冒険者をやる気になったのか?」


 どうやら俺と店長は知り合いだったみたいだ。


「はい! ブレイブ魔法学院に入るために力をつけておこうと思って」


 本当は冒険者にはならないが、そう言っておいた方がいいだろう。


 俺がそう言うと店主が嬉しそうな顔をしながら俺の背中をバシバシ叩く。


「そうかそうか、やっと自分のやりたいことが見つかったんだな……。ここ最近は感情のない人形みたいだったから心配していたんだ。……よし! この店の中から何でも1つ好きな物を持っていけ!」


「ええっ!? 本当ですか!? ありがとうございます!」


 マジか、店長めっちゃいい人じゃん。


 俺は好意に甘えて店の武器を物色する。


 すると又もや【第六感】が反応した。


 ん? 今度は何に反応したんだ?


 俺は反応した方を探してみると……。


 な、なんだと……!? 何でこれがここにあるんだ!?


 俺は驚愕に顎が外れそうになりながら一振りの剣と言うか刀?を手にもつ。


 その剣は漆黒の刀身をしており、今は魔力は発していないが、ものすごい存在感を持っている。


 その剣の銘は《魔剣闇夜やみよ》と言う。


 ゲームでの驚異のステータスがこれだ。


______________

魔剣闇夜

等級:S+

《効果》

攻撃力+350

敏捷性+350

《専用スキル》

【魔剣気】【奥義:白夜を切り裂く一閃】

装備条件:level180以上・アタッカー、オールラウンダー・闇魔法所持


・深い夜に作られたとされる究極の一振り。この剣を一振りすれば夜が訪れると言われている。

______________


 どうだ? 化け物だろう?


 ゲームでも公式チートと言われていたほどの武器だ。


 ちなみにプレイヤーのlevel:200のステータスは大体1000を超えている程度だ。


 そう考えるとチートだろう?


 だってほぼ3分の1だぞ?


 よし、これに決めた!


「店長! 俺はこれにします!」


 そう言って《魔剣闇夜》を差し出す。

 

 店長はこれを見て驚いたように俺を見る。


「……これは確かに素晴らしい武器だ。だがお前さんには装備できないかもしれないがそれでも良いのか?」


 そう言って俺に尋ねる。


 どうやら俺のことを心配してくれているようだ。


「はい! これが良いです!」

 

 俺がそう言うと店長は本当にタダでくれた。


 あっ、ちゃんと錆びた剣とかはお金を払ったぞ。


「それじゃあまた来いよ!」


「はい! ありがとうございました!」


 俺はそう言って店を出た。


 さて、早速level上げをやって行きますか。


 俺は始めに行くダンジョンへと足を運んだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 この作品が、面白い! まぁまぁかな? 続きが読みたい! などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!

 また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などの報告を頂けると作者の励みになります。

 ではではまた次話で。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る