第2話 ステータス確認

 俺がモブ以下に転生したと知った日の夜。


 俺は誰も居ない家で1人枕を濡らしていた。


「うっうっ……ひどいよ……何でよりにも寄って俺の知らない人なんだよ……。知っているキャラだったら育て方がわかっていたのに……」


 なぜ俺がこんなに泣いているのかと言うと……。


 まず知らない人に転生したのが1番大きい。


 俺はサラを救うために、本編が始まる前までに強くなっていなければならない。


 でないと救うどころか自分の命すら危ういからな。


 そんな世界で知らない人に転生したら、強くなることへの大きな時間ロスになってしまう。


 まずそのキャラに合ったスキルを入手しないといけないし、それによって何処のダンジョンに行けばいいのかや、どのモンスターを倒せばいいかも変わってくる。


 はぁ……取り敢えずこの体のステータスを見てみるか……。


「ステータスオープン」


 俺がそう言うと目の前に半透明のステータス画面が現れる。


______________

ソラ

人間

level:3

タイプ:オールラウンダー

《アクティブスキル》

【全力ダッシュ:5】【怪力:1】

《パッシブスキル》

【家事:9】【第六感:1】【完全記憶】

《魔法スキル》

【闇魔法:1】


SP:6

______________


「おおおおお!! 素晴らしい! めちゃくちゃいいじゃないですか!」


 俺は自分のステータスを見て、先程まで下がっていたテンションが爆上がりする。


 特に【第六感】と【完全記憶】は物凄いレアなスキルだ。


 これは習得不可能なスキルの1つで、色々なところで役に立つ。


 そして【怪力】もそこそこ戦闘で使える。


 それに【家事:9】は普通に凄すぎだろ。


 コイツどんだけ家事してたんだよ……。


 スキルは、1~10のランクがあって、レベルを上げると貰えるスキルポイントで強化できる。


 確か1レベル上げるごとにSPスキルポイントの量が2ずつ増えていくはず。


 勿論SPを使わなくても、そのスキルを使い続ければスキルレベルは上がっていく。


 そしてプレイヤー自信のlevelは100までで、限界突破させると200までになる。


 ちなみにチュートリアルのゴブリンはlevel20と意外に高い。


 チュートリアルならもっと低く設定しとけよ。


 こっちは最初level1なんだぞ?


 level差19にどうやって勝てと?


 まぁこの世界ではゲームのようにチュートリアルをしなければいけないわけじゃないだろうから、今は無視しておこう。


 しかしこんなにいいスキルを持っているとなると、これは俗に言う転生特典か!?


 なんて太っ腹なんだ女神様は!


 俺がサラを救えたら洞窟の女神教でも作ろうかな?


 『愛想はないけど願いは叶います』と言う謳い文句をつけて。


 まぁそんな冗談は置いておこう。


 しかしゲームと違う所が転生して初めてあったな。


 それはステータスの詳細がないことだ。


 例えば力、防御、敏捷、魔力などの表示がない。


 うーむ、これはゲームじゃなくて現実だからか?


 そこの所はよくわからないな。


 だが、どうやら俺が転生した身体は、友人キャラよりも初期ステータスは強そうだ。


 これなら1年もあれば充分強くなれるだろう。


 俺は自分を効率よく鍛える方法を考える。


 …………あっ、そういえば俺今日がいつか知らないわ。


 それじゃあどのくらいのペースで行けばいいか決められない。


「えっと……取り敢えずどっかにカレンダーは…………あったあった」


 カレンダーはリビングにあった。


 しかもご丁寧に終わった日をバツしてある。


 えっと……確か入学が5860年4月1日で、試験が3月5日だから………。


 そう言えばなんで5000とか言う数字になったんだろうな?


 もっと少なくてもいいのに。


 覚えるの大変なんだよな……。


 俺はカレンダーのばつ印を追いながら本編が始まる時期を思い出す。


「今は……ん?? 10月5日? え、10月!? マジか、全然時間ないじゃないか!? なんであと5ヶ月しかないんだよ! 俺の予測では1年かかるんですけど!?」


 これは呑気にしている場合じゃないぞ!


 俺は急いで部屋の中で金目のものを物色する。


 ん? 日記か……? 


 俺は自室の机の引き出しで日記を見つけた。


 日記を開くと1ページ目に。


『もう大好きだった父さんも母さんもアリアもいない。このまま生きていても仕方がない。待っててみんな、今からそっちに行くよ」


「………………」


 俺は無言で次のページを開くが、その日記には他に何も書いていなかった。


 どうやらこの体の持ち主は何かの理由で親と妹か彼女か知らないけど、大切な人を失ったみたいだな……。


 それで後追い自殺したと……。


 なんか悲しい最後だったんだな……。


 俺は日記を机の引き出しに戻す。


 俺の願いが叶ったらこの日記をあの3人の墓を探してお供えしておこう。


 俺はそう決意してこの家の金目のものは全て持ち出す。


 それを持って急いで換金屋に売却しに行く。


「おじちゃん! これ全部売らせてくれ!」


「ん? ああソラじゃないか。どうしたんだ? 何処かにでも行く気か?」


 俺は換金屋のおじちゃんに言われたので頷く。


「……そうか。よし! ならこれら全部に色を付けて買ってやろう!」


 一瞬悲しげな顔をしたあとそんなありがたいことを言ってくれる。


「ありがとう、おじちゃん!」


「ああ頑張れよ!」


 俺は応援されながら1500万円を受け取る。


 あ、そうそう。


 この世界のお金は何故か円なんだよな。


 まぁ多分お金の価値を考えるのが面倒だったんだろう。


 まぁ俺にとってはそっちの方がありがたいからいいけど。


 よし! このお金で装備を買いに行くか!


 俺はゲームの記憶を頼りに武器屋に向かった。


 そう言えばおじちゃんってあんなにいい人だったんだな……。


 ゲームでは無口で殆ど何も話していなかったからちょっと新鮮だ。


 俺はまた1つゲームと違うところを見つけた。



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スキルレベルの上がり方です。

レベル 必要SP

1→2 2

2→3 4

3→4 6

4→5 8

5→6 10

6→7 12

7→8 14

8→9 16

9→10 18

わかりにくいと思った人は感想をくれるとありがたいです。


 この作品が、面白い! まぁまぁかな? 続きが読みたい! などと思った方は、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!

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 ではではまた次話で。

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