第4話 チュートリアルダンジョンの隠し部屋

 武器屋から歩くこと3時間。


「はぁはぁはぁはぁ…………今回はめちゃくちゃ遠かったな‥‥ゲホッゲホッ!」


 ダンジョンは俺の思った以上に遠かった。


 ゲームの時はいつも【空間魔法】の《転移》を使っていたからわからなかったけど、どうやら街からだいぶ離れていたようだ。


「はぁはぁ……まだダンジョンに入ってすらないのにこんなに疲れるとは……これは完全に誤算だ……」


 ちゃんと調べてから来るんだった……。


 ゲームの知識があるからって侮りすぎていたな……。


 俺はこのままだと危険なので、取り敢えず休憩することにした。


 その間に今回のダンジョンの情報を頭の中で整理する。


 今回のダンジョンの名前は、チュートリアルダンジョンだ。


 まぁ果たしてこれをチュートリアルと言って良いのかわからないが。


 このダンジョンには基本的に罠はない。


 そして出てくるモンスターは、ゴブリンとスライムだ。


 見るからに雑魚キャラだが、このゲームでは侮ってはいけない。


 まずゴブリンはlevel20と初心者に倒すのは難しい。


 と言うか絶対に無理。


 【ダンスク】では、levelが5違うと余程上手くない限り勝てない。


 そんなゲームでlevel差17もあると、まぁ一瞬で負ける。


 一方でスライムはlevel10とゴブリンよりは低いが、その代わりに物理攻撃が殆ど効かない。


 初心者はろくに攻撃魔法も持っていないので、ゴブリン以上に危険だ。


 このようにこの2種類は初心者にはめちゃくちゃ強いが、その代わりに1体づつしか出てこない。


 チュートリアルでの報酬は、主人公のタイプで違うスキルが貰える。


 まぁこれも欲しいが、今回狙うのはこれじゃない。


 正直鍛える時間が1年あれば取らないでも良いかなと思ったのだが、5ヶ月しかないからこれがないと間に合わないのだ。


 よし! そろそろ体力も戻ってきたし行くとするか!  


 俺は冒険者じゃないので、こっそりとチュートリアルダンジョンに入る。


 中は石の壁に松明たいまつが着いている、theダンジョンって感じだ。


 松明しか明かりがないが、意外と明るいな。


 俺はどんどん先に進んでいく。


 始めはモンスターもいないし、大して警戒しなくても良い。


 ダンジョンに入ってから10分くらいすると、少し開けた場所にきた。


 ふぅ……ここからが第1の関門だ。


 俺は息を潜めながら中を眺める。


 そこにはゴブリンがいた。


 正直今戦うと絶対に勝てない。


 と言うか今回ゴブリンは無視して行く。


 俺はゆっくりと向かい側の通路に向かう。


 ここでバレたら死んでしまうので、物凄くゆっくり進む。


 速度で言ったら赤ちゃんのよちよち歩きより遅い。


 たった15mを10分程かけて渡る。


 ふぅ……怖かった……。


 俺はいつの間にか全身に汗をびっしょりかいていた。


 これが本当の死ぬかもしれないと言う恐怖か……。


 俺は早く休む為に目的のところまで急ぐ。


 ゴブリンのいたところから歩くこと5分。


 やっと目的地に着いた。


 因みに今俺の周りには壁しかない。


 そんなところで何故止まったかと言うと、このダンジョンには隠し部屋があるのだ。


 この隠し部屋に行かないと、初心者にはこのダンジョンをクリアするのは非常に難しくなる。


 俺はある壁の小さな窪みを押す。


 すると目の前にステータスボードのようなの物が出てくる。


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隠し部屋

はるか昔にある王国があった。ここはその国の王族が財宝を隠す為に作った隠し部屋。

入場条件:はるか昔の王国の宝剣を装備中、装備を全て等級:Fにする。

______________


 俺はこの部屋に入る為にわざわざ最弱の防具と錆びた宝剣を買ったのだ。


 俺は壁に向かって歩く。


 そして壁に当たる瞬間。


《宝剣の所持確認。装備の等級:F確認。入場可能》


 そんな機械的な声が頭に響き、俺は壁をすり抜けた。


 そして目の前には1本の通路がある。


 よし……ここの攻略方法は2つ。


 1つは罠を踏まないように慎重に歩く。


 そしてもう1つは……。


「【全力ダッシュ:5】発動ッッ!!」


 俺はスキルを発動させて、物凄い速度で通路を走る。


 2つ目の方法は、仕掛けが当たる前にゴリ押しで進むだ!


 俺は全ての罠が発動する前に駆ける。


 そして走り続けること1分。


 やっと目的の隠し部屋に到着した。


 さぁ俺のお目当てのものを探すとしますか!


 俺は部屋を物色し始めた。



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 ではではまた次話で。

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