第2話 ハンター協会にて

 ハンター協会とは地球にダンジョンが出現してから一年が経過、つまり今から19年前にダンジョンの脅威に対抗するために作られた組織でダンジョンと共に現れた超能力者(今で言うスキル持ちである)をまとめスキルが必要となる事態や仕事を斡旋しハンター協会所属の超能力者 ハンターに仲介する役割を担っている。

 そんなハンター協会は今では世界中に支部が存在する有数の組織になっている。

 そして、スキルの測定もハンター協会の管轄内となっているのだ。

 ハンター協会の外装、内装は役所と似たようなものになっており清潔な印象がもたれるようになっている。


(え~、スキルの測定は…と、4~10番窓口か…)


  4~10番窓口を見てみると長蛇の列ができていた。


(うわ~すごい人ですね~。まぁ、この時期は僕と同じような中学を卒業した奴がこぞってスキル測定を受けに来ているんだからなー)


(とりあえず、最後尾に並ばせてもらいますか。)


 と僕は一番空いていそうな6番窓口に並び、無益な事を考え順番が来るのを待った。


「次の方、どうぞー」


 しばらく待っているとようやく僕の番がきたようで女性職員によばれた。

 ここで、思い出して欲しい。

 僕には友達が一度も出来た事がない。

 それにはもちろん理由というものがあり…


「では、この紙にお名前と住所、電話番号を書いてください」


「………………ハイ」


「書けましたらこの整理券を持ってこの建物の3階の測定会場に移動してください」


「………………ハイ」


(あぁーすげぇ緊張したぁぁぁぁ)


 そう、僕は圧倒的なコミュ障なのである。

 一応、コミュ障になったのは幼いころの経験からなるものではあるのだがそれを誰かに言うつもりはないしそもそも言いたくてもコミュ障のせいで言えないせいで友達が全くできないのだ。



 


 僕のボッチの真相が分かったところで3階の測定会場でいよいよスキルの測定が始まろうとしていた。

 スキルの測定はダンジョン産の物体と科学技術を複合させたものとハンター協会が発表している良くわからない機械を使って行われるらしい。

 測定会場を見てみると確かに会場の中央を見ると黒い箱、縦が2mぐらいで大人一人が入れるような大きさのものが20個ほど横に並んでいた。

 周りにいる自分と同じようにスキルの測定を受ける人と協会の職員をながめたりしていると、


「皆さん、こちらを向いてください」


 と、この場のまとめ役のような職員が話を始めた。


「では、これからスキル測定の順序を説明させてもらいます。と、言っても皆さんがすることは殆ど無いんですけどね。皆さんには中央当たりの黒い箱の前に並んでもらい順番が来たら黒い箱の中に入ってもらうだけです」


「では、並んでください」


 まとめ役の職員が話し終えると周りの人が一斉に動き出した。 

 ん?自分はどうしたって?流れについていけず列の最後尾を見てどこに並ぼうかと考えている途中ですよ。

 と考えていると、


「やぁ、どうしたんだい?並ばないのかい?」


 と、協会の職員らしき男の人が声をかけてきた。


「え…いや、あの…はい…えっと…」


「あ、無理に喋らなくても大丈夫だよ。君喋るの苦手だろ?」


「え?あっ、はい」


「じゃぁ、右から2番目の列に並んでもらおうか」


「わ…分かりました」


 と、男性職員らしき人に促されるままに列に並んだ。








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