破滅のアウトサイダー目指せ

破滅のアウトサイダー目指せ





     ビニィル管に棒状に納められた虹の

     両端に佇む影の谷間の脱走者



     無頼漢ごろつきの汗みずくの躰横たえる

     茂みを探して  坂道

     ゆったりと下降し

     据えられた額縁の景色へと溶明する

     おそらくは 天心に映える虹

     の真っ只中

     一時しのぎの シロップにたわむ

     水薬があるとしても


     どうだ  虹は遠のいていく


          額縁の中では

          見知らぬ風景の

          取っかえ引っかえ


     無味なバニラエッセンスに混じって

     呼子を吹き鳴らし旅する蜜蜂たち


     望遠鏡を覗き込む脱走者の眼が

     色相環からはじき出された色の

     ひび割れたステンドグラスなんて


     遠去かって虹は

     釘付けされて

     水底に歪んだ眩暈しか

     指導しないのか


            黒い光線ひかり内部なか

            紅い檸檬の腐った

            銀灰色のケロイド

            剥ぎ取り

            手錠と鎖の先導する

            凱旋を

            堕胎せよ


     逆光のゴゥストイメージに

     ささくれた土葬の骨

     無頼漢の肋骨の間に差し込んで

     汗みずくの躰を

     明滅する探照燈に委ね


      追え 全力疾走の 虹


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