3話
気づいたら昼休みになっていた。4現はいつ終わったんだ?現在時刻は12時25分。昼休みがあと20分ほど残っている。5現は自習なので、健太でも誘って飯を食いに行くか...
「おーい、健太!飯くいに行こうぜ!」
「おっけー、らーめんでいいか?」
「もち。一〇堂?」
「でいいだろ」
「うい」
財布だけ掴んで教室を出る。うちは学校の出入りが自由なので、昼飯も外で食う人間が半分、残りを学食と弁当が2分する。俺や健太は圧倒的に外食派。駿太は学食派で、時折、
「美味いもんが食いてえ」
と言って俺らに着いてくる。はっきり言って学食は不味い。だが安い。それに釣られる人間は多い。俺も入学当初はそうだったのだが、健太に連れられて外に食べに行き始めてから、学食に戻れなくなってしまった。その点駿太はすごい。あんな伸びきったらーめんもう食えねえよ...
校門をくぐると、駅に向かう。お昼時なので人でごった返しているが、大半は本校生徒。駅に着いても、周りにいるのは本校生徒。駅周辺の店の中を覗いても、大半は本校生徒。店の数もそこまで多くないので、一〇堂の様な人気店は行列になっている。
「あれくそ並ぶぞ。どうする?」
「次ないし待っていいだろ。並ぼうぜ」
「うい」
行列に並んでから、しばし無言が続く。時折健太のスマホから、〇witterの新しい投稿を表示する音と、俺のスマホから銃撃音が聞こえるだけ。毎日一緒に飯を食っていると、話す話題も無くなる。行列もしょっちゅうなので、お互い行動が大体決まってくるのだ。俺はP〇BGモバイルか、遊〇王のデッキを組んでいて、健太は〇witterを眺める。時折健太から投稿を見せられて2人で笑う。そしてメニューも大体決まっている。俺が赤い方、健太は白い方とご飯を頼み、あいつはらーめんを秒で平らげた後、高菜で無限に白飯を食う。俺はその間L〇Lの動画を見る。あいつの腹は容量が無限なので、1回店からご飯をなくしたことがある。以来、俺が1本の動画を見終わるまでは食うのが決まりになった。今日は食うのが遅くなってしまったので、短めの動画にしよう...
「おい」
「なに?」
「その動画何分だ」
「え、9分ちょいだけど」
「短い。15分くらいにしろ」
「嫌だね。早く食え」
「分かった」
これまで食べていた速度よりも遥かに早い速度でご飯を書き込む健太。呑気に動画を見ていたら、喉に詰まらせて苦しそうにしていた。当たり前だろ。
うちは進学校(笑)です 越智 零れ @kemohito1
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