☆第九話 朝のベッドから☆
朝の六時にショタ王子が目を覚ましたら、目の前がやけに薄暗い。
「…あぁ、目隠し してるんだっけ」
左右の掌が自由になっていたので、ボンヤリとした頭のままで身を起こし、目隠しを外す。
「ふぅ…ぁあっ!」
やや寝ぼけていた頭で目隠しタオルを解いたからか、左右で眠っている裸の美少女捜査官たちを、忘れていた。
共に王子様の方を向いて静かな寝息を立てている、ヌードのマコトとユキ。
ショタ王子が身を起こしたので掛け布団が捲れて、二人の裸身は括れたお腹あたりまでが、剥き出しとなっていた。
横向きな寝姿で二人の巨乳はそれぞれに重なっていて、右も左も、古来より正月に飾られる「カガミモチ」を想像させる。
白くて柔らかい双巨乳は、呼吸とともに僅かな上下と柔変形を魅せて、男子の好奇心を強く刺激。
先端の小さな桃色も鮮やかで、少年王子の視線や指先を誘っているかのようだった。
「あ、あわわ…!」
恥ずかしくて真っ赤になった愛顔を両掌で覆いながらも、ショタ王子は指の間から、二人の寝姿をチラと見てしまう。
「………」
マコトの黒いネコ耳がピクんとうごめき、ユキの白いウサ耳がぴくぴくっと小さく、何かに反応を見せている。
王子の起床を感知したセンサーが、窓のデジタルカーテンを左右へとクリア化オープンしてゆくと、窓から低い朝陽が差し込んできた。
「……ぁ…」
爽やかな陽光に照らされて、光を反射する白い肌と、グラデーションを彩る起伏に恵まれた肢体。
その姿形は、人間という自然発生した生物の持てる美しさの最高峰を感じさせて、ショタ王子の知的好奇心までもが、官能性でも魅了をされてしまう。
美しい年上美少女二人のヌードは、ショタ王子には直視できないくらい、恥ずかしい。
それなのに指の間からつい、どちらの肌も見てしまうのは、相手が眠っているという安心感も、あるのかもしれない。
年下王子は顔も耳も真っ赤に上気させ、とてもドキドキしながら、しかし両隣で眠る美しいケモ耳美少女捜査官たちの寝姿を、鑑賞し続けていた。
「…ぅうん…」
陽光を感じたのか、ネコ耳をピクピクっとうごめかせて、マコトが目を覚ます。
「んん…んんん~…ん…」
いつものクセなのか、仰向けに転がって、両の手足とネコ耳を一杯に伸ばしてから、脱力をする。
肢体に合わせて、上向きでも形が崩れない綺麗な丸巨乳が、プルプルと揺れた。
身体も目を覚ましたマコトが身を起こし、隣で愛顔を覆う王子様に、挨拶をする。
「お早うございます。ショタ王子様」
「は、はぃ…ぉ、ぉはよぅ…ござぃます…」
消え入りそうな声なのは、目の前の美しいヌードが恥ずかしいのと、まるで寝ている隙に覗き見るような鑑賞をしてしまった事への、自己反省だった。
二人の挨拶の間に、ユキも目を覚ます。
「んん…お早う御座います、ショタ王子様。ご気分は 如何でしょうか?」
と、艶めく白い裸身を起こして、しかしマコトと同じく巨乳を隠す事なく、優しく訊ねてくる。
「は、はぃ…よく、眠れました…」
「それは 何よりでございます♪」
と、ユキはご機嫌だ。
「で、ですが…その…」
「「?」」
何の謝罪かと思ったら、眠っている二人の裸身を覗いてしまった事を、正直に白状をしての、謝罪であった。
「もぅしわけ…ぁりませんでした…」
消え入りそうな程、縮こまってしまっている王子様。
そんな、正直で勇気ある少年が、二人には更に愛おしく感じられた。
「ショタ王子様、どうぞ、お顔をお上げください♪」
マコトも、恥ずかしがりながらも逃げ出さなかった王子様に、言葉を捧げる。
「ショタ王子様。それは 素晴らしいご成長です。ボクたちも、心の底から嬉しく思います」
「…ユキさん…マコトさん…」
王子の眼差しと愛顔は、素直な感動と感謝と尊敬で、愛らしく輝いていた。
ベッドから起き上がり、裸の二人に連れられて、王子様は再びの浴室へ。
「さあ 王子様」
「いっいぇえっ、僕はそのっ–っ!」
裸なお姉様たちとの入浴は、まだ恥ずかしいらしい。
「常にお身体を清潔に保たれるのも、王族のお務めで御座いますわ♪」
と、年下の王子様にご奉仕できる事そのものが楽しいらしいユキ。
「それでは、失礼いたします」
と言って、マコトは王子様の目隠し。
「あわわ…」
視界を塞がれた王子は、裸の二人に挟まれて浴衣を脱衣させられて、朝の湯で身体を流される。
「………っ!」
今度は目の前に巨乳が迫る心配も無いので、ショタ王子もジっと身を固くしながら、二人の洗浄に従っていた。
マコトが王子の頭を洗っている間にユキが、そしてユキが王子様の身体を洗っている間にマコトが、それぞれ自身の身体を洗浄。
ふわふわタオルしか見えないショタ王子からすれば、二人がいつ自分の身体を流したのか、全く分からないだろう。
シャワーを終えると、再び二人に連れられて、脱衣室へ。
「それでは、着衣のお手伝いを させて頂きます」
「は、はぃ…」
二人に挟まれながら、王子様は、頭から身体から全身を拭われてゆく。
前後のヌードから、湯の湿気と石鹸の香りと、優しくて甘い香りが漂っていて、敏感になった鼻腔の奥までが満たされて刺激をされる。
「………っ!」
朝陽の中で観た綺麗で豊かな二人の裸が頭を過ぎり、更に自分が裸である事も、今更のように自覚をしてしまう。
今、目隠しを取ってまた二人を見ても、叱られないかな。
とか、無意識にも想像をしてしまい、慌てて打ち消したり。
室内着である浴衣を王子に着せ終わると同時に、二人も室内着に着替え終わる。
「失礼いたします」
と、マコトが優しく目隠しタオルを外すと、ショタ王子の目の前には、シンプルな浴衣姿だけどとてもエレガントに表れる、二人のケモ耳美少女たち。
「………」
母星のオリジンでもある和装姿のお姉様捜査官たちから、慈母的な優しさを感じるショタ王子だ。
無自覚に見惚れている王子様に、ユキが優しくも、イタズラっぽい笑顔を向ける。
「ショタ王子様。もう目隠しは ご無用のご様子ですわ♪」
「え…あ…はぃ…」
とか、なぜ言われるままに受け入れたのか、王子自身にもよく解らなかった。
部屋へ戻ると、扉がノックされる。
「はい」
王子様を浴室へ誘う前に、マコトが王子様の起床をホテルへと連絡しておいたので、ベストなタイミングで朝食が届けられた。
「うわぁ…っ、本物の、オリジナル・コシヒカリなのですね…っ!」
惑星サンサー・ラランドでも米食は普通だし、移民した頃に持ち込まれた白米は惑星で受け継がれ、代々にわたって育成され続けている。
しかし当たり前だけど、土壌などの変化や世代を重ねるうちに。味も食感も少しずつだけど、独自に変化をしていった。
現在、どちらも甲乙付け難いくらい美味しいけれど、地球本星の日本地域で栽培されているオリジナル米は、現在でも人気が高い。
その分、お値段もなかなかだから、このホテルのように朝食として用意するのは、最上の敬意が込められている証であった。
「王子様、どうぞ」
マコトがよそった白いご飯は艶々で、熱々な湯気を立てている。
「あぁ…なんて 甘い香り…」
王子は、愛らしい美顔を素直に心酔させて蕩けさせ、白米の香りを堪能していた。
「それでは 戴きましょう」
「「「戴きます」」ですわ」
白いご飯を、王子様は箸で一口。
箸使いも、一口のサイズも、上品で優雅だ。
「ぁむ…んんん…なんと、深い味わい…♪」
口の中に拡がるオリジナル白米の味わいに、深く感動しているようだ。
「惑星サンサー・ラランドの白米も、相当に美味だと 聞き及んでいます」
と、料理好きのマコトが、話題というより自分が知りたい情報として、問いかける。
「はい。僕も母星のお米は大好物です。このオリジナル米とは味わいも違いますが、どちらも素晴らしい甘さと食感です!」
母星のお米を、心底から誇らしく感じている笑顔だ。
「ですがやはり、このオリジナル米に含まれる、奥深く複雑な甘みと香りと食感は、受け継がれてながらも変化をしない、素晴らしい芯の強さを感じさせてくれます!」
生物好きな少年らしい感想だ。
「お二人は、サンサー・ラランド・コシヒカリを食されたご経験は、おありなのですか?」
母星の話題で嬉しそうな少年王子。
「いいえ。サンサー・ラランドに限らずですが、地球本星でも領星の物品には それなりに関税がかけられますので。出先などであれば、捜査官特権で 購入できるのですが」
「それでは、この修行が終わった際に 僕が個人的に、お送りさせていただきます! ぜひお二人には、サンサー・ラランド・コシヒカリを、味わって頂きたいです!」
「「ありがとうございます」♪」
こうして、三人は楽しく朝食の時を過ごした。
朝食が下げられた頃、昨夜の予報通りに天気が急変。
空には少し重く雲が湧いて、サラサラと静かな雨が降り始めていた。
「本日のご予定は、夕刻の出立まで自由とされております。ですが、よろしければ私どもと、公園の散策など 如何でしょうか♪」
と、ユキが提案。
「はい」
雨の中で草木が観察できると、王子様は素直に嬉しそうだ。
マコトは、朝食と一緒に届けられたユキの注文品に、美しくも呆れたような表情である。
~第九話 終わり~
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