第4話

 「ったく、面倒くせぇよ」「そうですか、なかなかおもしろいと思いますよ」「みんな好きだからなぁ、よくやるよ、イベントなんて」「ほんとですよね、やる気とアイデアはどんどん出てますから」(ヤルコトハワカルンダケド、ドウモれべるガ低クテ)(口ハヨク動クケド、ソコニ実力ガ伴ワナイノガナァァ)「前からそう、こっちは無理矢理付き合わされんだから、だりいよ」「今度はバンドだけど、前はラップとかDJだったんですよね」「そうそう、出番が遅い時なんか、朝方まで残されて」「それはだるいっすね」「もうだりいだりいのって、車に乗せてもらってるからさぁ、帰りまで待たなきゃなんねぇの」(ナラ、乗セテモラワナキャイイノニ)(ホントメンドクセエヨ)「でも、今回は町田駅の近くじゃないですか」「そうだけどな」「原チャリで行けるから、だるくなったら帰れるじゃないですか」「まあな、それはいいけど」(原ちゃりジャ、酒飲メナイケド)(ソモソモ、行キタクネェヨ)(電車ダト、朝マデイナイトナァァ)(近イカラ行ケル、ッテモンジャネェシ)(タシカニ面倒ダケド)「でっ、どうするの、出んの」「いや、出ないですよ、何もないですから」「そぉぉ、前にドラムやってたんじゃないの」「もう昔ですよ、できないですよ、練習してないし」「みんなと一緒に出ればいいじゃん」「ええぇぇ、迷惑になりますよ」「いいじゃんいいじゃん、出なって」「いやいや、それより、自分こそ出ればいいじゃないですか」「楽器できねぇもん」「自分だってできないですよ」(絶対出ルモンカ、メンドクセエ)「なんか、スケボーができるって」「んなの中学の頃だよ」「舞台上でフィリップしたり」「危ねぇって、失敗したら客に板が飛ぶって」「いいじゃないっすか、それも演出で、だって、低空の高速回転できるって、みんな言ってましたよ」「もうできねぇぇよ」「できますよ」「おまえがやれよ、ドラム叩きながらオーリーしたり」「なんですか、それ、めちゃめちゃじゃないですか」(いべんとソノモノガ、滅茶苦茶ダヨ)(マア、適当ニ出テモ、ミンナヨリウマクデキソウダケド)「にしても、めんどくせえぇぇなぁぁ」「それ言っちゃだめですよ」「ゴミ屋と音楽を一緒にするのが、そもそも間違いだって」「たしかに、それはわかりますが」「イベントやるなら、会社とは関係なく、別で金を調達しないと」「いや、ほんとそうですよね」(ゼッタイ無駄ダヨ、音楽ナンテ)「あっ、トラックが帰って来ましたよ」「おお、じゃあ行くか」。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る