第60話 神の真実は進み行くなり(6)
反部長派はどうか知らないけど、部長派は弱体化した。
会計担当の
部長派だったはずのトロンボーンの
かわりに、たこ焼き事件の
唐崎や郡頭まち子は、自分の野望を達するために部長派にいるだけだ。向坂部長への忠誠心なんてない。だいたい部長が信用していない。
伴奏トランペットの井川恵は郡頭まち子と何かあったらしく、たがいに嫌い合うようになった。人数の少ない部長派のなかでさらに嫌い合っているのだ。
宮下副部長はずっとポーカーフェイスでいるし、ミーティングでは相変わらず議長を担当して反部長派の発言を封じ込めている。
しかし、明らかに身にまとっている雰囲気は変わった。
ほかのだれにわからなくても、晶菜にはわかる。
晶菜もかつて副部長と同じように向坂部長に恋した女だから。
そして、晶菜だって、もう2703に行くことはないだろう。
行きたいとも思わない。
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