第30話 モコッチ村防衛戦3
うおおおお……。ギリギリ渡り合えそうな魔力が来た。昼間は魔物の生命力の合計を80000と見積もったけど。何とかいけそうだ。
ハンパな気持ちで語りかけても全然ダメだけど、心からの願いにはきっと応えてくれる。精霊さん、頼りになるッ……!
「精霊さん、ありがとう……!」
私は息を吐いた。
「何が起きただ……!?」
光を放つ精霊石に驚いて、ハルカが問いかけてくる。
「精霊さんが魔力を送ってくれた。この村を守るための力を貸してくれたぞッ!」
おばあさんたちが「「「おお……」」」とどよめき、子どもたちは明るい声を上げる。
「私はここから反撃する。屋根に上って魔法を撃つから、魔物が来ないか周りを警戒しててくれよな」
「わかっただ!」「うん!」「警戒するっ!」「がんばる!」「あたしもがんばるっ!」
子どもたちはおばあさんたちを背にして取り囲み、四方に目を光らせる。
私は煙突掃除用の手すりを掴んで家の屋根に上っていく。
蔓草を踏みながら屋根の中央に立った。
「…………」
顔を上げ、村はずれの方向を振り返る。
森の上には満天の星空。その下には星明かりを映す川のきらめき。
だがその川のきらめきを乱す影が蠢いていた。
目をすがめ、ステータスを観察する。
『
あまりにも多すぎてステータスを捕らえきれない――。
私は魔道士の杖を構え、呪文を詠唱した。
「
杖先に魔力が集まり、球雷を形作る。球雷は膨らみ、私の魔力を吸い上げていく。
これはため撃ち型魔法の準備呪文。この呪文でチャージすればするほど攻撃力を高めることができる。
15000ほど魔力を充填したところで、発動呪文を詠唱した。
「
ゴゴゴンッ!!
雷鳴が轟く。
ドッッ!!
球雷は膨れ上がり、稲妻を伴いながら吹っ飛んでいく。
ドオオオオオオオオオオオンンッ!
地鳴りのような音を立てて、川に着弾した。
あたりは昼のように明るくなり、赤や青の
『
前列の魔物を一気に片付けた。後列の生命力もだいぶ減らした。
こういう密集した群れには爆発系の魔法が効く。
一発で複数の魔物を仕留めることができるので、魔力が足りなくても劣勢を覆せる可能性がある。
「
私は次の充填に取りかかった。
削りきれなかった後列の
『
『
魔力を15000ほどチャージした。
「
ゴゴゴンッ!!
ドッ!!
雷鳴とともに魔法が放たれ、球雷がスパークしながら夜空を切り裂いていく。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
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